【チャンピオンズC】絶好枠&絶好追い!❶枠②番レモンポップ連覇で有終の美 田中博師「この馬らしさを見せられると思います」
チャンピオンズCの追い切りが28日、茨城・美浦トレーニングセンターで行われた。このレースを最後に引退、種牡馬入りする昨年の覇者レモンポップは、Wコースで上々の伸び脚を披露。また、同日午後に枠順が確定し、2014年以降で最多タイの4頭が馬券圏内に入っている❶枠②番をゲットした。史上2頭目の連覇、そして有終Vに向けて強烈な追い風が吹いている。 ◇ 朝の日差しが、最後の追い切りに向かう砂王を優しく照らす。チャンピオンズCでラストランを迎えるレモンポップはWコースで単走。序盤は静かに入り、後半に向けてどんどんギアを上げていく。直線で気合をつけられると、輝く栗毛の馬体を躍らせてラスト1ハロン11秒3(6ハロン82秒4)の好フィニッシュを決めた。 「この子にとって単走で追い切ることはあまり最終追い切りとしてはないのですが、もろもろ考えたなかでそういう形に。伸び伸びと力強く、いいストライドで走っていた。少し仕上がり途上の前走と比べると、順調にはきているかな」 見守った田中博調教師は合格点を与えた。昨年は併せ馬で追い切って快勝したが、調教時に気持ちの高ぶりを見せるようになったことを考慮しての単走追い。「そのときどきの馬の雰囲気に合わせて、調教もアップデートしていかないといけない」とトレーナーは意図を説明する。 Wコースで2週前は1マイルから時計を出し、先週は併せ馬で追走する形から外を回して自己ベストの6ハロン79秒5をマーク。距離や精神面を意識して試行錯誤しながら調整し、追い切りで2歳馬に遅れていた前走(南部杯1着)時より動きは間違いなく上向いている。 厩舎は今年、JRA重賞3勝を挙げ、米GⅠ・BCターフ2着(ローシャムパーク)など海外でも活躍。勝率・236(28日現在)は全国首位だ。躍進のきっかけを作り、支えたのがレモンポップに他ならない。 「厩舎の初重賞、初GⅠ、本当にいい経験をさせてくれた。海外に初めて連れていってくれたのもこの子ですし、そこでの敗戦も含めて、厩舎の糧になって、基礎を作ってくれた子。いよいよ最後かという思いです」 午後に決定した枠順は❶枠②番。②番はチャンピオンズCが中京施行に替わった2014年以降、最多タイの4頭が馬券圏に入っている〝好枠〟だ。指揮官は「昨年の大外枠(❽枠⑮番)に比べればいい枠。初速も二の脚もとても速いし、GⅠ級の1400メートルやマイルでもハナを叩くスピードがありますから。この枠で、この馬らしさを見せられると思います」とうなずいた。