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コロナ禍で広がる病院支援の輪も、本当のピンチは「5年後にやって来る」という深刻な理由

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BUSINESS INSIDER JAPAN

「3月に起きた新型コロナウイルスの院内感染の影響で、永寿総合病院はいま運営継続の危機を迎えています」 【全画像をみる】コロナ禍で広がる病院支援の輪も、本当のピンチは「5年後にやって来る」という深刻な理由 6月末に立ち上げられた「永寿総合病院を応援する会」のクラウドファンディングページに記載された一文だ。 このクラウドファンディングはSNSを中心に拡散され、当初目標としていた2000万円を開始1週間で達成。最終的には5000万円近い支援が集まった。

「永寿総合病院を応援」SNSで広がった支援の輪

東京都台東区にある永寿総合病院は、地域の中核病院として新型コロナウイルスの流行初期から感染者を受け入れてきた。しかし、3月後半に大規模な院内感染が発覚。 これに伴い、3月25日から5月26日まで2カ月にわたり、外来患者の受け入れなどを停止。その間、病院としての収入の多くが断たれることになった。 クラウドファンディングは、この難局に直面した病院で奮闘する医療従事者たちを支援するために実施されたものだ。 クラウドファンディングサービス「READYFOR」でキュレーター(資金調達をサポートするプロジェクト担当)のマネージャーを務める小谷なみさんは、 「コロナによって、以前に比べて病院からの引き合いが増えています。クラウドファンディングですべてを補てんするのは難しいですが、一部の費用や設備投資のお金を補てんしたいとお話をいただくことが多いです」 と話す。

包括的な支援では届かない「隙間」への支援

コロナ禍において、永寿総合病院と同じように資金繰りに苦しむ病院は多い。 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体による「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査」でも、前年と比較して赤字病院は7割近くに拡大していた。 「国や行政が大きな予算で救済できれば、包括的で公平性も高いです。ただ、スピード感が足りない、細かなところまで手が届かないといった問題もあります。 今、資金がないと次につなげることができないような、『ピンチです』と私たちにまで声をかけていただいた病院を、最大限サポートさせていただく体制をとっています」(小谷さん) 迅速性が求められる現場の問題において、民間という立場からうまく役割分担を図っていくというのが、READYFORのスタンスだ。 また、READYFORは、東京コミュニティー財団とともに基金型のクラウドファンディングも実施している。 従来のクラウドファンディングとは異なり、寄付金を集めた上で一定の審査を経た助成団体に配分し、コロナの影響を受けている医療機関や福祉施設などに広く支援を行う仕組みだ。 「最前線で働く人たちに現場での活動に集中してもらえる環境をつくるには、我々がお金を集めて分配していく仕組みを構築するのが一番良いのではないかということで、この形となりました」(小谷さん) この基金は12月末まで継続される予定だが、8月26日時点ですでに約8億5000万円もの金額が集まっている。 READYFORによると、医療機関を対象にしたものに限らず、コロナ関係の寄付活動は20~30代を中心に増加しているという。コロナ禍での個人による支援の広がりは、一つの希望といえるだろう。 しかし、クラウドファンディングによる支援は、あくまでも「今大変な状況」に対応するための「輸血的」な支援であることも事実だ。

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