「ねんきん定期便」が届きましたが、すでに260万円も払っているのに「加入実績に応じた年金額」は35万円ほどでした。年金を払うより自分で貯めたいと思ってしまいます...
ねんきん定期便を確認したときに、260万円も納付しているのに、将来の年金額が35万円ほどしかないと不安に感じることがあるかもしれません。本記事では、年金の実情を理解しつつ、どのように自分で資産を形成していくべきかを紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
ねんきん定期便とは
「ねんきん定期便」とは、保険料納付実績や将来の年金給付に関する情報を分かりやすく提供するために送られる通知です。 年金制度に加入していることや、支払った保険料が将来の年金給付にどう影響するのかを実感しやすくなります。若い世代にとっては、年金制度への理解を深めるための重要な手段です。年金の仕組みを理解すれば、将来に向けて計画的な準備を進められるでしょう。 ■加入実績に応じた年金額とは 「ねんきん定期便」には、「これまでの加入実績に応じた年金額」という項目が記載されています。この金額は、これまでに納めた保険料の実績にもとづいて算出された、将来受け取れる年金額(年額)です。これらの金額は、今までの納付実績を反映したものであり、あくまで目安です。 金額を見て、「こんなに少なくて大丈夫かな?」と不安になるかもしれませんが、国民年金は原則として60歳までの加入です。 60歳を過ぎても会社員として働き続けるケースもあり、厚生年金に加入すれば将来受け取る年金額は増える可能性が高くなります。年金制度は基本的に積み立て式であり、保険料の納付期間が長いほど、将来の年金額も増加することを理解しておきましょう。
自分で資産を形成するためのポイント
ここでは、自分で資産を形成するためのポイントを紹介します。 ■20~30代の場合 20代は社会に出たばかりで、資産を積み上げるには時間がかかりますが、早めに始めることで将来的に安定した資産形成を目指せます。若い世代は、少額から始められる投資方法を活用するのがポイントです。 例えば、NISA(つみたて投資枠)は、元本が少なくても始められるため、早い段階で投資経験を積めます。リスクは比較的少なく、元本割れが起きた場合でも損失は限定的と考えられるため、投資リテラシーを養うには最適な方法といえるでしょう。 30代は徐々に収入が増えていくとともに、一般的に結婚や出産、住宅購入などの大きなライフイベントに直面する時期です。生活費が増える中でも、比較的少額で始められるNISA(つみたて投資枠)の活用がおすすめです。 また、収入が増えることで投資額を増やせられれば運用の幅も広がるため、投資信託などの専門家に運用を任せる方法も検討するとよいでしょう。 ■40~50代の場合 40代になると収入が増える一方で、子どもの教育費や住宅ローンの返済など、さまざまな支出が増える時期でもあります。将来の貯蓄計画をしっかり立てておくと、余裕資金を投資に回す余地も生まれるでしょう。 また、40代はすでにある程度の貯蓄ができていることもあり、投資方法は多岐にわたります。余裕資金が増えた場合、株式投資に挑戦することも考えられますが、リスクヘッジを意識して分散投資を行うことが重要です。 50代に入ると、子どもが社会に出ることも多く、教育費や住宅ローンの負担が軽くなり一般的には貯蓄しやすい時期といわれています。大きな投資額の運用が可能で、資産運用の選択肢も広がります。分散投資でリスクを分散させつつ、高いリターンを目指す方法を検討するのもよいでしょう。 ただし、50代に差しかかると定年退職が視野に入ります。資産を積極的に運用しつつも、老後資金として必要な部分には手をつけないようにするのが、安定した生活を支えるポイントです。
年金だけに頼らず自身で資産を形成すると老後の安心材料になる
年金制度は長期的な積み立て式であるため、基本的に納付期間が延びれば受け取れる金額も増加する可能性があります。自身で資産形成を始めるには、若い世代から少額で始められる投資方法の活用が大切です。 30代以降は、収入の増加とともに投資額を増やし、40代、50代ではリスク分散を意識した投資を行いながら、老後資金の準備を進めるとよいでしょう。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部