大分の野生植物を未来に残したい 写真展開催と貴重な学術資料のデジタル・アーカイブ化に向けクラウドファンディングに挑戦
大分県には多くの野生植物が生息しており、その貴重な記録は植物学者・荒金正憲氏(別府大学短期大学部・名誉教授)によって約11万枚のスライドフィルムに残されている。その中には絶滅危惧種も多く含まれるが、大分県には博物館がないこともあり、保存や活用に向けての具体的な動きはなかなか進んでいなかった。そのような中、「おおいたの野生植物を未来へつなぐプロジェクト」(青葉企画・大分県別府市)とホルトホール大分みらい事業共同体は、大分の野生植物を未来に残すためのプロジェクトを立ち上げた。同県別府市の別府大学・別府大学短期大学部が協力する。 まず、多くの人たちが「大分県の野生植物」の素晴らしさに気づき、植物たちが生き続けられる環境づくりの意識を共有する場として、スライドフィルム約50点を写真に現像し、無料で閲覧できる「おおいた野生植物写真展」を企画。大分県で毎年開催されている大規模な科学イベント「サイエンスフェス」において、「おおいた野生植物写真展」を参加費無料で開催することを目指し、クラウドファンディングサイト「Sandwich」でプロジェクト「消えゆく大分の貴重な野生植物、未来に残すための写真展を参加費無料で開催したい!」への支援を呼び掛けている。期間は10月20日(日)まで。目標金額は90万円。返礼品は、植物の写真入りお礼のメッセージカード・おおいたの野生植物を未来へつなぐプロジェクトのホームページへの名前掲載・大分の野生植物を紹介した荒金正憲氏の著書「季節を彩る」の中から、四季折々の植物のポストカードなど。 このクラウドファンディングが目標を達成した次には、荒金氏が残したスライドフィルムのデジタル・アーカイブ化、さらにそれらのコンテンツのアプリ化・デジタル植物誌・デジタル植物園などへの有効活用に挑戦。大分の野生植物の記録を次の世代へつないでいくことを目指す。