豆乳ヨーグルト市場が拡大 ヨーグルトよりも高い成長率で存在感示す 背景に健康・美容ニーズの高まり
健康や美容ニーズの高まりを受けて、豆乳ヨーグルト市場が拡大している。 同市場は14年から5年連続で拡大。今年は新型コロナウイルスで乳酸菌・イソフラボン・食物繊維といった栄養素への引き合いが強まったことで、ヨーグルト市場に比べ規模は小さいながらもヨーグルト市場を上回る高い伸びで拡大を続けている。 一般的なヨーグルトは、牛乳を乳酸菌で発酵させた動物性ヨーグルトであるのに対し、豆乳ヨーグルトは、豆乳を乳酸菌で発酵させてつくられる植物性ヨーグルトで、大豆たんぱく質や大豆イソフラボンが摂取できるほか、コレステロールゼロでヨーグルトに比べて低カロリーで低糖質の設計が特徴となっている。乳製品を使用していないことから乳アレルギーの人にも適している。 1-8月、ヨーグルト市場が5%前後の伸びと推定される中、豆乳ヨーグルト市場は20%台の伸びになったとみられる。 その牽引役は、同市場の過半のシェアを握るポッカサッポロフード&ビバレッジと同市場の大型容器で過半のシェアを握るマルサンアイの主に2社。
ポッカサッポロは15年に豆乳ヨーグルト市場に参入し、トーラクから引き継いだ小型容器でトクホの「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」シリーズを展開。19年に大型容器の「SOYBIO(ソイビオ)豆乳ヨーグルト プレーン無糖400gカップ」を加えてラインアップを拡充している。 この中で近年勢いづいているのは大型容器の400gカップで、1-10月の販売金額は前年同期比2・5倍になった。 取材に応じた大久保正孝レモン・プランツミルク事業本部事業企画部部長は「ご購入者の半数以上がリピートしてくださっている。8月が7月並みくらいだったことを除けば、販売状況は基本、前月に対してプラスで推移しており、離脱がかなり抑えられている上に新規のトライアルを少しずつ獲得していると推察している」と語る。 直近では、トライアル促進として11月30日まで実施している「おいしさ体感! SOYBIO×HELLO KITTY豆乳ヨーグルト キャンペーン」の応募率がよく「展開7週目現在で111%の進捗率となった」。 ポッカサッポロの豆乳ヨーグルト事業の前期(12月期)売上高は前年比33%増の18億円。今期は1-7月の時点で12億円を記録し今期目標の22億円を超える勢いで推移している。 マルサンアイの大型容器「豆乳グルト」シリーズも勢いを加速させている。 同シリーズの19年販売実績(19年1ー12月)はメーカー出荷金額ベースで前年比17%増の8億3000万円。今年1-10月は23%増を記録し昨年を上回る伸びをみせている。 1-10月のアイテム別では、「豆乳グルト」(400g)が16%増、「国産大豆の豆乳使用 豆乳グルト」(400g)が50%増となった。 今後については「豆乳だけでなく乳酸菌も植物性であることや大容量豆乳ヨーグルトで売上No.1といったことを含めて『豆乳グルト』の認知向上を図り、指名買いしてもらえるように商品デザイン、プロモーションなどに取り組んでいく。『国産大豆の豆乳使用 豆乳グルト』は国産大豆の豆乳を使用した点もアピールしていく」(マルサンアイ開発統括部・マーケティング室)考えだ。