あこがれのオープンスポーツを入手。まずはクルマありきのガレージライフ|旧車の棲むガレージ
母屋を建てる時にガレージを組み込む予定だったが、それを断念。7年後、確保してあった土地に、改めてコンセプトを考え直したガレージを建てることになった。たくさんの人が集い、くつろげる和風の空間を実現したのだ。 【画像11枚】初めから「こうしたい」という目標があるのではなく、日々の成り行きのなかから活用方法やガレージの方向性が定まった 【あこがれのオープンスポーツを入手 まずクルマありきのガレージライフ】 フェアレディ2000を2台、カプチーノを1台を所有するオーナー邸を訪問するにあたり、相当なスポーツカーマニアかフェアレディマニアなのだろうと先入観を抱いていた。それだから、ガレージもさぞこだわりのある仕様に違いないと決めつけていた。ところが、違ったのである。 「ガレージは大切なクルマを保管しておく場所、そういう考え方でした」 オーナーの旧車歴は、1994年にカプチーノを手に入れたことがきっかけで始まった。旧車に興味があったというより、意識の底にある、子供の頃の記憶が引き金となっていた。 「行楽や避暑の季節に、未舗装の道路をさっそうと走り抜けるオープンカーの姿があった。その後ろ姿がなんとも垢抜けてカッコいい。子供心に強烈な印象となって焼き付いたんですね。いつか僕もスポーツカーに、そんな思いでした」
スポーツカーに憧れていたオーナーの旧車ライフのきっかけとなった1台とは?
しかし、スポーツカーの所有は、実用車と異なり、なにかと制約を受けがちで、なかなか手を出しにくい。カプチーノの入手は、こうした制約を踏ん切れるタイミングでのことだった。 「そうすると、やはり今度は『当時』のクルマに目が向いてしまう。フェアレディは私自身も好きでしたから自然と候補車になっていましたね」 思いがけない 1台目の白を入手。しばらく時間を置き、2台目の赤がやって来た。しっかりとした保管場所、ガレージが欲しくなる。 「メンテナンスのため、演出して楽しむギャラリーとして、というつもりはまったくなく、お気に入りの大切なクルマをしっかり保管したかったことがガレージを建てた動機です」 留意したのは収容スペース。ゆとりだけは持たせておきたいという意識があったという。ちなみに、クルマを止めるだけのスペースなら、自宅の敷地内にあと何台分かゆとりがあるそうだ。 「結果的にこのスペースが幸いしたんですね。当初はクルマだけがある、何もない殺風景な状態だったんですが、少しずつ趣味の収集品を飾っていくうちに、今のような状態になりました」 写真でも分かるとおり、オーナーは相当な数の収集品を持っている。それも、クルマだけに限らず、多方面におよんでいる。56年生まれ、映画「三丁目の夕日」の実体験世代であるだけに、高度成長期の「遺産」が多数ある。 【画像11枚】初めから「こうしたい」という目標があるのではなく、日々の成り行きのなかから活用方法やガレージの方向性が定まった