EVで渋滞の高速道路を走行 増える急速充電器 次の課題は?
心配した「充電待ち」はなかった復路
復路の8回の充電のうち、私が充電待ちをしたのは駿河湾沼津での1回だけだった。それも、私が到着した時には前のクルマの充電はすでに終了していて、ドライバーがクルマに戻ってくるまでの数分間待っただけだった。 激しい渋滞予測が出ていたので、EVユーザーが遠出を控えたのかも知れない。いずれにしても、1~2時間程度の充電待ちを予想して取材スタートしたことを思えば、拍子抜けともいえる結果となった。
ユーザーの充電マナーには改善が必要
往路では、海老名、足柄、御在所SAで10~30分の充電待ちがあった。覚悟の上だったので、最大30分の充電待ちは問題なし。でも、ユーザーの充電マナーには課題を感じた。 急速充電はおおむね30分で80%といわれている。でも、バッテリー残量に余裕がある状態から充電すれば、もっと短い時間で80%に到達する。そして、80%を超えると充電速度は極端に遅くなる。つまり、80%を超えたらさっさと次のクルマに順番を譲るべきなのだ。実際、電池残量に余裕をもって充電を繰り返した今回のドライブでは、1回の充電時間は10~20分で十分であることがほとんどだった。 ところが、高速道路上の急速充電器は30分の時間設定になっていることもあり、現状のEVユーザーには30分経ってからでなければクルマに戻ってこない人が多い。空いている時ならそれでもいいが、混雑している時は「80%を超えたら交替する」というルールを広めていく必要がある。 また、充電が終わっているのにクルマに戻ってこないのはいわずもがな。急速充電するときは、80%を超える時間を予測して、早めにクルマに戻ることを心掛けてほしい。
「充電器」周辺に混雑時の待機場所がない
今、日本全国で急速充電スポットが急増している。ただ、充電待ちするクルマまで想定して、待機場所を設けているところは多くない。今回、御在所SAで充電待ちをした時は、お盆でSA全体が混雑していたこともあり、充電器のそばでクルマを停めて待つ場所がなくて困った。 やむを得ず、クルマに乗ったまま走行車線の脇にクルマを寄せて待機して、近くの駐車エリアが空くのを待つしかなかったのである。すぐには難しい面もあるのだろうが、将来的にEVがもっと普及してくれば、充電待ちは日常茶飯事になる。高速道路などの施設では、充電待ちの場所も考慮していただけるとありがたい。