愛知・新年の縁起を担ぎ、名古屋で富士山は見られるか?
いよいよ年末。もういくつ寝ると、正月もやって来る。初夢に見ると縁起が良いものとして「一富士二鷹三茄子」ということわざがあるが、一年の始まりに、日本人にとって特別な存在である富士山をその目で見たいという人も少なくないだろう。計算上、日本国内で富士山が見られるのは20都道府県と言われている。もっとも北で富士山が眺められるのは福島県で、西は和歌山県。この秋には、“計算上見える”とされていた京都府で、初めて証拠写真が撮影されたことでも話題を集めた。20都道府県の中には愛知県も含まれるが、果たして名古屋市内から富士山を見ることは可能だろうか。 【写真】ダイヤモンド富士輝く
“富士が見える”という地名ならどうか?
全国では、富士山もしくは郷土富士が見える場所に「富士見」という地名を見ることができる。中部地方にも多く、名古屋市では「千種区富士見台」「中区富士見町」が該当。しかし千種区富士見台については名古屋市のホームページ上に“天気のよい日には富士山が見えるだろう、という夢をこめて付けられたものだそうです。”とあるように、実際に富士山を見ることはできない。 一方の中区富士見町はというと…葛飾北斎が各地から望む富士山の景観を描いた「富嶽三十六景」、この中の「尾州不二見原(通称:桶屋富士)」が現在の名古屋市中区富士見町とされている(中区伏見町という説もあり)。職人が桶を作る姿が描かれており、大きな桶の円の中央に富士山を望む構図だ。 ここ数年はタワーマンションも建つエリア、もしかしてマンションの最上階なら富士山が見られるか…といえば、実は北斎は富士山を見誤っており、本当は南アルプスの聖岳であると論文で指摘されている。
名古屋が誇る高層ビルから富士山は見られるか?
近年、林立する名古屋の高層ビルからはどうか。東海地区で最も高い展望台は、名古屋駅のミッドランドスクエア44~46階の「スカイプロムナード」(地上220m)。元日から営業し、初日の出を見に訪れる人も予想される。さっそく聞いてみると「遠くに御嶽山などは見えますが、富士山は見えません」とのこと。残念。 同じく名古屋駅のジェイアール名古屋タカシマヤの高層階では?51階にはかつて展望台があり、今は飲食店などがあるフロアに改装されている。その中の一軒「カフェ ド シエル」(地上245m)に聞くと、「恵那山や猿投山、遠くに南アルプスは見えますが、富士山は見えません」(新年は1月2日からの営業)。 それではもう少し東に移動し名古屋市千種区へ。名古屋市市制100周年を記念して建てられた東山スカイタワー(地上100m ※標高180m)ではどうか。電話をかけてみると「富士山は見えませんが、御嶽山や恵那山の眺望が楽しめます」という回答だった(新年は1月2日からの営業)。