「新型コロナウイルス関連倒産」は673件 ~「飲食店」の倒産が100件を突破~
2020年11月2日16時現在、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または事業停止、負債1000万円未満・個人事業者含む)は、全国に673件<法的整理586件(破産557件、民事再生法28件、特別清算1件)、事業停止87件>確認されている。 都道府県別では「東京都」(155件)が最多。以下、「大阪府」(68件)、「神奈川県」(33件)、「北海道」「兵庫県」(各32件)、「静岡県」(31件)、「愛知県」(29件)と続く。
発生月別では、2月(1件)、3月(15件)、4月(78件)、5月(71件)、6月(116件)、7月(111件)、8月(100件)、9月(108件)、10月(73件)で6月が最多。 負債総額は、2918億3300万円で、5億円未満が566件(構成比84.1%)を占めている一方、100億円以上の大型倒産は(株)レナウンなど3件(同0.4%)。
業種別では、「飲食店」(102件)が最多。次いで「ホテル・旅館」(61件)、「アパレル小売店」(45件)、「建設・工事業」(43件)、「食品卸」(36件)、「アパレル卸」(25件)、「食品小売」(24件)、「食品製造」(23件)、「アパレル製造」(19件)が続く。
飲食店の倒産が100件を突破
11月2日、新たに飲食店の倒産が3件(午前1件、午後2件)確認され、午前中に100件に達し、16時現在では102件となった。新型コロナウイルス関連倒産の業種別で100件を超えたのは飲食店がはじめてとなる。 同102件を発生月別にみると、3月は3件にとどまっていたが、4月以降増加して7月には20件に達した。8月(14件)、9月(11件)は減少傾向にあったが、10月は15件と増加しており、年末に向けた動向が注目される。 都道府県別にみると、「東京都」(20件)が最も多く、以下、「大阪府」(15件)、「北海道」(7件)、「神奈川県」(6件)と続く。 また、東京都の20件を区市別にみると、港区、渋谷区(各5件)、中央区(4件)に集中。負債額別では1億円未満の小規模事業者倒産が68件を占めた。 さらに102件を業態別にみると、居酒屋(21件)、日本料理店、イタリアン料理店(各10件)、カフェ・喫茶店(7件)、クラブ・バー(6件)、寿司店、そば・うどん店(各4件)が上位で、それ以外では、ステーキ店、ラーメン店、焼き肉店、天ぷら店、お好み焼き店からブラジル、フランス料理店、沖縄料理店さらにタピオカドリンク店、クレープ店などまで幅広く発生している。 負債額上位は、寿司店を中心に運営していた(株)虎杖東京(東京都中央区、7月再生手続き開始決定、同32億7800万円)、寿司店を運営していた(株)豊田(東京都豊島区、7月破産手続き開始決定、同30億600万円)などで、上場企業や全国的な知名度を有する事業者の倒産は発生していない。 倒産件数が最多となった居酒屋をはじめ、忘年会を主体とする年末需要が大きな収入源となってきた飲食業界だが、今年は団体利用が大幅に減少することが予想される。各種支援策の効果が時間の経過とともに薄れていく一方、コロナ禍を経験したうえでそれをどう乗り越えていくのか、各事業者の実力が問われる時期に差し掛かかろうとしている。