酉年のワールド牧場で見た「烏骨鶏」鳴く順番が決まってるの?
力の強いおんどりが常に最初に鳴き始める
「ニワトリは他の動物に比べて飼育が大変です。中には薩摩鶏(国指定天然記念物)という気性の荒い子もいる。闘うニワトリなんですが、最初にいきなり蹴られました。烏骨鶏は今、5羽(オス3、メス2)います。ニワトリの場合、コケコッコーと鳴くのはオスのみです。メスは常にコッコッコッコと鳴きます」(武田飼育員)という。 鳥類はメスの気を引くためにオスの鳴き方に特徴があるようで、ニワトリはオスだけが元気よくコケコッコーと鳴く。朝方にうるさく鳴くのは周知の通りだが、これにもあまり知られていない特徴があった。 夜明けを告げるおんどり(雄のニワトリ)の鳴き声の順番は、集団内の序列で決まっているというのだ。これは2015年に、英科学誌ネイチャー系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されたもので、飼育されたニワトリを用いた一連の実験結果によって判明したもの。 つまり、力の強い最上位のおんどりが常に最初に鳴き始め、続いて下位のおんどりたちが順に鳴き声を発するという。
鳴く順番が決まってる?
これについて尋ねると「そうですね。烏骨鶏は今、オスが3羽いるんですけど、一番大きな子がいつも先にコケコッコーと鳴きます。続いて2番目。3番目の子はあまり鳴いたところを見たことがないですね。ちゃんと鳴く順番が決まってますよ」と武田飼育員。 朝になると、「今日はオレがいちばんや~」と競い合って鳴くのかと思ったが、しっかり序列が決まっているのだ。知ってました? もっとも、動物は集団の中で順位制があり、この順位制が初めて報告されたのは、ニワトリに関するノルウェーの動物学者の1913年の研究だという。ニワトリ間のつつき合いから、“つつきの順位”が観察され、はっきりした序列がある観測結果を得たという。 それにしても、鳴く順番が決まっているのには驚いた。ニワトリの世界も厳しい? (文責/フリーライター・北代靖典)