朝倉海を失神させたパントージャ 夢破れ、呆然とする日本人挑戦者に見せつけた“UFC王者の自負”「俺のベルトを奪えると思ったのか」
日本人初のUFC王者の夢は果たせなかった。 現地時間12月7日に米ネバダ州ラスベガスで行われた「UFC310」で、世界最高峰の総合格闘技団体「UFC」に参戦した朝倉海(JAPAN TOP TEAM)がアレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)とフライ級タイトルを懸けて激突。異例のデビュー戦での世界戦となったが、2ラウンドでバックチョークを決められ、無念の敗戦となった。 【動画】朝倉海がまさかの一本負け UFC王者パントージャの絞め落としシーン 2001年の宇野薫以来となるUFC初戦でのタイトル挑戦となった朝倉。しかし、異例のデビュー戦を組まれたサムライにとって、王者の壁は高かった。 初回から巧みなグラウンドの攻防でペースを握られた朝倉は、膝蹴りなど打撃を中心とした組み立てで、なんとか粘る。がしかし、パントージャはさらに上を行った。2回、バックを取ってのグラウンド戦に持ち込むと、最後はリアネイキッドチョークを炸裂。完璧な流れで技を繰り出され、流石の朝倉も耐えきれずに一本負けとなった。 兄・未来に突然仕掛けられた“路上スパーリング”をきっかけに本格的に格闘技をはじめ、RIZINなどでめきめきと才能を伸ばしていった朝倉。総合格闘技界で「世界最高峰」と言われるUFC制覇は、本人にとっても悲願だった。 何よりも痛烈だったのは、勝者となった王者から浴びせられた言葉だ。失神から意識を取り戻してしばらく呆然としていた朝倉を尻目に勝者インタビューを受けたパントージャは、「これがUFCのレベルだ。ここは最高のレベルなんだ」と絶叫。続けざまにこう吐き捨てたのである。 「日本からやってきた選手が、すぐに俺のベルトを奪えると思ったのか。俺は別に日本に行ってでも俺のベルトを死守する準備ができていた。もちろん彼もタフで強い選手だとは思う。彼のえぐいハイライト映像なんかも沢山見たけど、それも俺にとっては関係ない。ここはUFCで、俺の縄張りだからな。キョウジ・ホリグチ、アドリアーノ・モラエスと練習仲間全員に感謝を伝えたい。いいか、夢があるなら、それがどんなに遠くても頑張れ」 オクタゴン内でただただ肩を落とすしかなかった朝倉。この悔しい敗戦からどう立ち直るか。今こそ真価が問われているのかもしれない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]