特産コンブで美容、観光商品に 函館の研究会 ホテルと連携、エステや入浴で提供へ
ガゴメコンブが原料の化粧品などを開発する産学官グループ「海藻活用研究会」(函館市)は、函館近海産のコンブを活用したエステと入浴を組み合わせたタラソテラピー(海洋療法)を、年度内にも商品化する。市内のホテルと連携し、宿泊客や日帰り客に提供する計画で、美容や保養を切り口に滞在型観光客の増加につなげる狙いがある。 タラソテラピーは栄養素が豊富な海藻や海水、泥など海の資源を使った療法。観光への活用は沖縄県のリゾート地で盛んだが、道内では少なく、函館国際観光コンベンション協会は「函館産コンブを使ったタラソテラピーは聞いたことがない」としている。 同会は本年度、観光庁の「地域観光新発見事業」の採択を受け、「函館コンブテラピー」と名付けて事業化に着手。金森赤レンガ倉庫群に隣接する、かつてのコンブ倉庫を改装したホテル「NIPPONIA(ニッポニア) HOTEL 函館港町」(豊川町)で来年1月下旬にも、宿泊者と日帰り客の双方を対象に、入浴とエステを提供する計画だ。コンブ料理も検討している。 エステのメニューは、市内に研究拠点を置く化粧品会社「ソワレ・インターナショナル」(兵庫県)の渋谷恵子会長が監修。保湿や肌の修復効果の高い成分が含まれるガゴメコンブが何本も入った浴槽につかった後、エステティシャンがコンブエキスのローションを使って全身や顔をマッサージする。