【フィギュア】千葉百音「強敵ぞろいの中で戦い抜けた」大きな自信胸に初のGPファイナル挑む
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第6戦中国杯>◇23日◇中国・重慶◇女子フリー 【重慶=阿部健吾】千葉百音(19=木下アカデミー)が初のGPファイナル(12月、フランス・グルノーブル)行きを決めた。ショートプログラム(SP)首位から迎えたフリーで141・05点をマークし、合計211・91点で2位。シリーズ2戦合計の上位6人で争うファイナルに進む。住吉りをん(オリエンタルバイオ/明大)は4位、渡辺倫果(三和建装/法大)は5位だった。ファイナルに出場する日本女子は、坂本花織、樋口新葉、吉田陽菜、松生理乃を含め、史上最多5人となる。 ◇ ◇ ◇ 千葉は演技を終えると頭を抱えた。最終盤、7回のジャンプを跳びきった末に向かったステップシークエンスで、よもやの転倒。「張り切りすぎちゃって、こけちゃいました!」と痛恨のミスにも、その声は底抜けに明るい。「転んだ後に落ち着いてバックインループを描けたので」と最高難度のレベル4は死守。優勝でのファイナル切符とはならずも、同じ2位に入った第4戦NHK杯と比べ、「楽しんで滑れました」と手応え十分だった。 「ちょっと体冷えちゃったかな」。演技前に自分の体と対話できた。不安を正確にとらえ、「1本1本集中して、足でしっかり踏み切れたのが、回転不足を取られなかった成果」と、ミスを1つに抑えて7本のジャンプを降りきった。「笑顔の引きつり方がNHK杯より自然な笑みになっていた。中国の雰囲気が滑りやすいのかな」と優勝した2月の4大陸選手権(上海)に続くメダルを喜んだ。 出場選手の発表時から、「強い選手が集まってる」と構えた中国杯だった。迎えた公式練習。「こっちが感じてる周りの選手の『すごいな』『美しいな』という感情は、みんながみんな、結構同じように感じてるんだろうな」と自然に思えたという。心掛けるのは、俯瞰(ふかん)で考え、精神面を安定させること。「氷の上ではまだまだ」としていたが、この日は成長も感じられた。 ファイナルで日本女子は史上最多の5人が出場する。ロシア勢は、ウクライナ紛争の制裁で不参加が続く状況を鑑みても、ハイレベルな国内争いは際立つ。「強敵ぞろいの中で戦い抜けた」と大きな自信も得た。