福岡堅樹、試合直前に順大医学部合格通知!そして開幕戦30m独走トライ…予備校通う文武両道実った
◆ラグビー トップリーグ第1節第1日 パナソニック55―14リコ―(20日、秩父宮ほか) 新型コロナの影響で約1か月遅れで開幕し、各地で5試合が行われた。5季ぶり制覇を狙うパナソニックはリコーを55―14で下し、白星発進した。医学の道を志し、今季が最後となる2019年W杯日本代表ウィングの福岡堅樹(28)が30メートル独走トライを挙げ、試合後に順大医学部への合格も発表した。NTTコムに新加入した元スコットランド代表主将のSHグレイグ・レイドロー(35)が初先発し、逆転トライを含む12得点の活躍でホンダに41―13と快勝。V2を目指す神戸製鋼はNECを47―38で退けた。 「歓声禁止」の秩父宮に福岡が大きな拍手を起こした。34―14でリードした後半23分。敵陣22メートルライン手前でインターセプトを決めると、ガラ空きになった正面をエンジン全開のラン。約30メートルを快走し、ゴール中央にダイブした。コロナ禍の影響で第6節で中止になった昨季に続く2季連続の開幕トライ。28歳は「個人的なパフォーマンスとしてはまだまだ課題の残る内容やったけど、チームとして勝ち切れてよかった!」と喜んだ。 さらに試合後、自身のツイッターで受験した順大医学部の合格を発表。関係者によれば、“サクラ咲く”の通知が来たのは試合直前だった。「この挑戦は、本当に多くの方々の助けがあって成し遂げられた。感謝の気持ちを忘れずまた新たな挑戦の道を歩んでいきたい」と報告した。 日本代表のW杯8強入りに貢献した15人制代表を引退した。7人制で東京五輪出場を目指していたが、大会が1年延期になり断念。医学の道を目指し、桜のジャージーと別れを告げ、ラグビー活動がコロナ禍で停滞した、この1年は予備校にも通った。ディーンズ・ヘッドコーチは「受験しながらだからね。並大抵じゃないよ。人間に限界がないことを証明した」と、文武両道をたたえた。 03年から始まったトップリーグは来季の新リーグ移行に伴い、今季が最後。計7トライの圧勝発進に、W杯メンバーで同期のフッカー坂手主将は「堅樹の最後のシーズンをいい形で終わりたい。堅樹自身そう思っていると思う」と、チームを挙げて花道を飾ると誓った。 福岡の今後については未定だ。リーグ戦は4月11日までで、優勝決定戦は5月23日。新年度の4月から学業と両立させるか、引退試合を設定するかはチームとの相談になるという。一足早い春をもたらした福岡は行けるところまで走り抜く。(小河原 俊哉) ◆トップリーグあらかると ▼概要 16チームで争う社会人の国内最高峰リーグ。最多優勝はサントリーと東芝の5回。 ▼方式と期間 18年度の順位に基づき2カンファレンスに分け、第1ステージ(S)は総当たりのリーグ戦(7試合)を行う。第2Sは下部のトップチャレンジ上位4チームを加えた20チームによるトーナメント戦で優勝チームを決める。 ▼順位 勝ち点制で勝ち=4点、引き分け=2点、負け=0点。ボーナス点は〈1〉7点差以内の敗戦〈2〉勝敗に関係なく3トライ差以上で勝ち点1が追加。勝ち点が多いチームが上位。 ▼外国籍選手 他国代表歴がある選手の同時出場は2人まで。アジア枠、代表歴のない「特別枠」も含めて最大6人が出場可能。
報知新聞社