久保建英の「連係力」がさく裂 アヤックス戦1G1Aの活躍に地元紙が「魔法」と激賞
11月28日(現地時間)、レアレ・アリーナ。ヨーロッパーグ(EL)でオランダの名門アヤックスを迎えたレアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)は、エースの久保建英が華々しいゴールを決めている。ELでは、ビジャレアル時代以来の得点だ。 【画像】サッカー界の「ドラ1」選手たち2024 自らの見事なアシストで1-0とリードしていた終盤だった。右サイドに陣取った久保は、相手のクリアボールを敵陣で拾うと、そのままドリブルに入る。すると、彼が進むべき道ができたように、するすると切り込む。敵選手をことごとく立ちすくませ、まるで魔法をかけたようだった。そして最後は鋭いカットインから、左足でコントロールしてゴールに突き刺した。 「2点目のシーンは、久保は何ができるかを、完璧に説明していた。彼はこうした急発進で切り込んだ時、短剣そのものになる」 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、久保のゴールをそう評している。しかし、相手を剣で斬って捨てると言うよりは、一時的にフリーズさせる"呪術"のようでもあった。 「(1-0でリードしていたが、安定しておらず)チームは終盤の準備はできていなかったはず。そこで久保が魔法の瓶を開け、勝利を確実にする1点を決めた。背番号14がラ・レアルのELに望みをつなげたと言える」(『アス』) 久保はチームを双肩に担っていたが、その魔法にはタネがあった。 この日のラ・レアルは、不甲斐ない内容、結果だったバスクダービー(アスレティック・ビルバオ戦)での不名誉を挽回しようと、立ち上がりからミケル・オヤルサバルを中心に強度の高さを示している。しかし、単純に強いプレッシングや前に行く姿勢だけでノッキングした。アヤックスのキープ力の高い選手に起点を作られると、多くのセットプレーを許し、むしろ劣勢だったと言えよう。 それを劇的に変えたのが久保だった。 前半43分、久保は右サイドから左サイドにずれ、スペースを見つけると、アイエン・ムニョスからのパスを引き出す。そして絶妙にテンポを作り、シェラルド・ベッカーにスルーパス。そのクロスをオヤルサバルがターンからシュートに持ち込む。ボールは枠を外れたが、決定機だった。