誹謗中傷に「いいね」した杉田水脈議員が争う姿勢 伊藤詩織さんによる裁判で
「いいね」を問題視する意図
8月の提訴時、伊藤さん側の弁護団は、杉田議員を提訴した理由を「影響力を持っているため」と語っていた。 杉田議員は、2018年当時で約11万(2020年10月21日現在は約20万)のフォロワーを持つ。また、衆議院議員という公人の立場でもある。 Twitter上での「いいね」を問題視した点については、人を誹謗中傷する投稿にも「いいね」をしていいものなのか問題提起したいとの狙いがあるという。会見で佃克彦弁護士はこう語っていた。 「伊藤さんに寄ってたかり、ものすごい数の人たちが中傷した。杉田さんはその投稿を『いいね』をしていった。集団的ないじめのような構造を呈しているのが問題だと考えている」 「Twitterの『いいね』をする行為が、名誉感情の侵害に当たるいう過去の請求は確認できませんでした。どんな投稿であっても『いいね』をしていいのかと問題提起し、裁判所から不法行為だと認められなければならない」
他にも多くの裁判が
伊藤さんは、この他にも多くの裁判を抱えている。 性行為を強要されたとして元TBS記者の山口敬之さんに、慰謝料など損害賠償を求めた訴訟を起こし、一審の東京地裁は山口さんに330万円の支払いを命じた。そして、名誉毀損だとして反訴していた山口さん側の請求は棄却した。 山口さん側は判決を不服として1月、東京高裁に控訴している。 また、伊藤さんははすみとしこさんら3人を6月に提訴した。はすみとしこさんは、伊藤さんを誹謗中傷する内容のイラストをSNS上に投稿し、男性2人は、はすみとしこさんの投稿をリツイートして広めるなどしたという。 伊藤さん側は損害賠償とともに、それぞれ該当するSNSでの投稿を削除し、はすみとしこさんには謝罪広告を掲載するよう求めている。 さらに、8月、杉田議員への提訴をした同日に大澤昇平・元東京大大学院特任准教授を相手取り、損害賠償や投稿の削除を求める裁判を起こした。 伊藤さんが、はすみとしこさんら3人を提訴した後、「伊藤詩織」という通名で外国籍の人物が破産したことを示す官報の公告を添えて、「伊藤詩織って偽名じゃねーか!」とツイートしたことを問題視している。 これについて伊藤さん側は「破産開始決定を受けた事実はなく、社会的評価を著しく低下させることは明らかで、被告はツイート前に事実関係を調べてもいない」と主張している。なお、伊藤さん側は「本名」であるとして、大澤さんの発言を明確に否定している。