誹謗中傷に「いいね」した杉田水脈議員が争う姿勢 伊藤詩織さんによる裁判で
自身を誹謗中傷する内容が記された多くのTwitterの投稿に対し、「いいね」を押されたことで精神的苦痛を受けたなどとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、杉田水脈衆院議員(自民、比例中国ブロック)を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10月21日、東京地裁(武藤貴明裁判長)であった。杉田議員側は出廷せず、答弁書で請求棄却を求め、争う姿勢を示した。一方の伊藤さんは陳述で「杉田氏が『いいね』と支持していた言葉たちは、どれも私にとってはセカンドレイプとなる発言」などと語った。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】
訴状によると、2018年、杉田議員がTwitterで伊藤さんを中傷する内容の数多くのツイートに「いいね」 を押した。伊藤さん側は、これらの中傷に好感を示したと主張している。 訴状に示された、杉田議員が「いいね」を押したツイートは、以下のようなものだ。 「枕営業の失敗ですよね。結婚している男性と2人で飲みに行かないもんね」 「彼女がハニートラップを仕掛けて、結果が伴わなかったから被害者として考え変えて、そこにマスコミがつけこんだ!」 Twitterの機能上、いいねを押すことで投稿主に通知が届くだけではなく、いいねした投稿としてタイムラインに表示されることがある。さらに、プロフィールの「いいね」欄からも閲覧可能だ。つまり、杉田議員のいいねは、誰もが確認できることになる。 このため、杉田議員の「いいね」は「社会通念上許される限度を超えた名誉感情侵害行為にあたる」とし、伊藤さんに著しい精神的苦痛を与え、恐怖心さえ抱かせた、としている。
意見陳述で伊藤さんは
原告の伊藤さんは意見陳述に立つと、「今の社会では、被害を届け出た、訴え出た人への風当たりもいまだに厳しいものがあります」と訴えた。 「『ハニートラップ』『売名行為』『被害妄想』。これらはオンラインで杉田氏が『いいね』と支持していた言葉たちです。これらはどれも私にとってはセカンドレイプとなる発言です」 「また、杉田氏の『いいね』によって第三者の批判的、暴力的な言葉が拡散され、溢れていく様子も恐ろしく感じています。さらに、私を擁護してくれようとした人に対しても攻撃の矢が向き、杉田氏がそれに対しても『いいね』をしている様子は、発言の矛先を向けられている当事者としてとてもつらく悲しいものでした。これらが法律を変える力のある国会議員からというものだったことに、衝撃、恐怖さえ感じています」 そして、杉田議員には「今後、同じような過ちを大切な人に対してしないでほしい」と言い、裁判官たちには「私たちのような被害者がはっきりと『NO』と言えるようになるよう、このケースと向き合っていただけたら」と要望した。