未来照らす地域の拠点に 安東邸はなれ 活用に向け初のクラウドファンディング【長野県飯田市】
長野県飯田市仲ノ町の古民家「安東邸はなれ」で、空き家の活用に取り組んでいるデザイナーの中川めぐみさん(26)=東京都=と明治大学建築・アーバンデザイン研究室の学生が、同邸改修のため初めてのクラウドファンディング(CF)を募っている。 同邸は1933年に建てられた木造2階建ての古民家。橋北地区の春草通りに面し、写真現像店などとして使われていたが、70年ごろから空き家となっている。 研究室の学生は中心市街地「丘の上」のにぎわいづくりに向けたフィールドワークを続け、その一環で2021年から同邸の活用プロジェクトに取り組んでいる。23年から中川さんも加わり、歴史的建物を地域に開かれた交流の場として再生させようと改修を進めている。「未来を照らす地域の拠点に」と「サテラス」と名付け、イベント・ギャラリースペースをつくる計画を立てている。 24年6月からは内部の本格的な改修に着手。はりを付け替え、2階の床を一部取り除いて吹き抜けにした。住民に改修過程を共有してもらおうと、10、11月に公開イベントを開催した。 安全性を確保し、空間を恒久的に使用できる状態にするため、11月中旬から朽ちている外壁や柱の補強工事を実施。今回のCFではこの工事費用に充てる。 改修は本年度でいったん完了とし、サテラスにはイベント・ギャラリースペースをつくる。活動に共感するアーティストらとコラボし、飯田の文化や歴史に光を当てながら、多様な人が交流できるイベントを来春以降開催していく。 CFの目標金額は130万円で、締め切りは12月30日。CFサイト「キャンプファイアー」から寄付できる。1000円から支援ができ、リターン品として市田柿や水引小物、学生が地域の獣害問題解決への取り組みの中でつくった鹿革の商品などが贈られる。 問い合わせは中川さん(メールunclassic.m@gmail.com)へ。インスタグラム(サテラスで検索)でも紹介している。