大谷翔平「あと少しで完全試合」に全米も震撼…マドン監督は大記録続行なら球数制限を解除して挑戦させていた考え明かす
エンゼルスの大谷翔平(27)が20日(日本時間21日)、敵地のアストロズ戦で「1番・投手」のリアル二刀流で先発出場し、6回一死まで一人の走者も出さないパーフェクト投球を見せて、全米を震撼させた。アストロズ先発のジェーク・オドリッチが、1回に押し出しを含む4つの四球を与える大乱調で、大谷にも2度打席が巡ってきて、四球、レフトフェンス直撃の2点タイムリー二塁打を放ち、1900年以降のメジャーリーグで初めて先発投手が登板前に2打席立つという珍記録をマーク。6点の大量援護を背に大谷の投球は冴えわたり、6回一死まで6連続を含む12奪三振のパーフェクト投球。17人目の打者となる元同僚の8番打者の捕手ジェイソン・カストロにフルカウントからの6球目のスライダーをセンター前へ運ばれて惜しくも大記録は逃したが、6回を81球1安打無失点に抑えて今季初勝利をつかんだ。全米メディアは大谷の投球を「もうあと少しで完全試合」と大絶賛した。
「名人芸だった」
地元紙のオレンジカウンティレジスターは「大谷のユニホームは試合の1球目を投げる前に汚れていた。そして彼の投球は、さらに(相手にとって)不快なものだった」という書き出しで大谷の快投を伝えた。 記事は、ジョー・マドン監督の「今夜の彼はとりつかれているようだった。名人芸だった。最初から彼は違う様子だった。投球の中身が、その雰囲気を作り上げていた」という談話を紹介。 「大谷は、通訳を通して、今回の登板がメジャーで投げた中で『“もしかしたら”ベストの試合だったかもしれない』と話した。彼のキャリア2度目の先発(2018年4月8日のアスレチックス戦)で記録した12奪三振は、7回で完全投球が途切れた試合でもあった」と続けた。 さらに「今回、彼は完全試合を考えたが、望みは薄いと分かっていた。マドン監督は、試合後に大谷の球数リミットは85だったが、彼が完全投球を続けていれば(制限は)なかったと明かした」という完全試合の準備が整っていた裏舞台を明かした。 今季は労使交渉の影響でキャンプ期間が短かったこともあり、大谷ら先発投手には球数制限を設けているが、マドン監督は「(完全投球であれば)そうした数字は関係ない。彼は完全試合を投げていただろう。私は、そうした選手の偉業を妨げることはしない。絶対に」とも語り、記録がかかっていた場合は、続投させていたことを明言した。 今季は4月13日にドジャースの左腕エース、クレイトン・カーショーがツインズ戦で7回を完全試合に抑えたまま80球で降板し賛否の議論が過熱していた。