箱根駅伝2021は「スーパールーキー」だらけ…1年生は「歴代レジェンド」の記録を超えられるか?
直接対決なるか? 順大・三浦と中大・吉居
箱根駅伝2021が迫ってきた。今年は1年生の“当たり年”で、学生長距離界はルーキーたちの活躍に沸いている。なかでもツートップといえるのが順大・三浦龍司と中大・吉居大和だ。 【写真】あの強豪校が「箱根駅伝」に出られない…「中央学院大」落選のウラ側 7月のホクレン・ディスタンスチャレンジで三浦が3000m障害で41年ぶりの学生記録、37年ぶりのU20日本記録となる8分19秒37(日本歴代2位)。吉居は5000mで15年ぶりのU20日本記録となる13分28秒31をマークして、陸上関係者を驚かせた。 時計の針を大きく動かした彼らの実力は“ホンモノ”だった。9月の日本インカレは三浦が序盤から独走して、8分28秒51の大会新V。吉居はラスト1周で強烈なキック力を発揮して、13分40秒04で1年生Vを飾っている。 三浦は11月1日の全日本大学駅伝1区で区間賞・区間新をゲットすると、吉居は11月14日の日体大長距離競技会10000mで28分08秒61(U20日本歴代3位)をマーク。12月4日の日本選手権では、吉居が5000mでU20日本記録を13分25秒87に短縮して3位に入っている(三浦は直前練習で右足を打撲した影響で欠場した)。 12月29日の「区間エントリー」では三浦が1区に登録され、吉居は補欠登録。ふたりは1区で激突する可能性もある。 10月の箱根予選会では三浦が先行する吉居を終盤に逆転して、ハーフマラソンのU20日本最高となる1時間1分41秒で日本人トップを飾っている(吉居はU20日本最高タイの1時間1分47秒)。 三浦は今季出場した4レースすべてで“新記録”を打ち立てて、日本人には負け知らず。吉居は予選会で三浦に先着されたことを悔しく感じており、リターンマッチに燃えている。 ふたりの直接対決が実現すれば、“新たなる伝説”の幕開けとなり、箱根ファンはワクワクがとまらないだろう。
活躍次第では“黄金時代”となるか
U20日本記録保持者のふたり以外にも楽しみなルーキーたちが登場する。まずは全日本大学駅伝で区間賞・区間新の快走を見せた青学大・佐藤一世と東海大・石原翔太郎だ。 昨年の全国高校駅伝1区では佐藤が日本人最高の28分48秒をマークして、石原は非厚底シューズで28分56秒の区間5位で走破している。全日本大学駅伝は佐藤が6区で従来の記録を19秒更新すると、石原は5区で順大・塩尻和也(現・富士通)が4年時に樹立した区間記録を32秒も塗り替えている。 これが青学のいいところです! 笑顔の絶えない青学大長距離ブロック 箱根のゴールでチームの笑顔を見せてください! ファンも笑顔で応援してまーす ― tosiee (@sakuramarry) December 26, 2020 全日本大学駅伝で6年ぶりの優勝を飾った駒大の強力ルーキーも前評判が高い。 全日本には2区に花尾恭輔、3区に鈴木芽吹を抜擢。箱根駅伝には1年生5人(花尾、鈴木、白鳥哲汰、青柿響、唐澤拓海)をエントリーした。チームには全日本の8区で劇的Vを決めた2年生エース・田澤廉がいるだけに、1年生の活躍次第では“黄金時代”に突入するかもしれない。 他にも明大・児玉真輝、東洋大・松山和希らはポイント区間での起用が有力。レース全体を占う意味でも、今年度の1年生はカギを握っている。 では、彼らにどんな走りを期待していいのか。かつて「スーパールーキー」と呼ばれた選手たちの箱根駅伝を振り返って、考えてみたい。