首都大学東京が「都立大」に名称変更へ 小池知事「大学の存在意義明確に」
東京都の小池百合子知事は24日の定例会見で、首都大学東京(東京都八王子市)が2020年4月から「東京都立大学」に名称を変更する方針であることを明らかにした。 首都大学東京は、石原慎太郎知事時代の2005年4月、当時の東京都立大学、東京都立科学技術大学、東京都立保健科学大学、東京都立短期大学の都立4大学を統合して誕生した。今回の変更で統合前の名称が復活する形になる。
学生らから「知名度改善して」と要望
同大学を運営する公立大学法人首都大学東京の島田晴雄理事長が同日午前、都庁を訪問し、小池知事に報告した。 名称変更をめぐっては、7月に行われた都政改革本部の会合で、小池知事が「これから進めていくブランディング戦略の一つとして、大学名を変えるくらいの大胆な改革をスピード感を持って進めるということも必要ではないか」「かつてあった東京都立大学というのは、今は駅名で残っているだけだが、これも一つの考え方だと思う」などと発言していた。 この日の定例会見で小池知事は「学生から、知名度や校名を改善してほしいとの要望が多かったのを踏まえた上で、最終的な判断を法人がなさった」と説明。「都立の大学ということを都民に分かりやすく発信することで、教育や研究の成果を都民や都政に還元する、という大学の存在意義がこれまで以上に明確になる」と期待した。 名称の復活に対しては「複数の大学をまとめて首都大学東京という形になり、これまで実績を重ねてきた。元に戻る、というよりは、(名称変更によって)さらに新しい時代を切り開く、というニュアンスの方が学生にとっても良いのではないか」と述べた。 同大学は24日、公式サイトで「大学名を2020年4月から『東京都立大学』に変更するための手続きに入ることが決定されました」と上野淳学長名にて報告。「東京都が設置したことが明確になる『東京都立大学』への名称変更は、本学が更なる発展を遂げる機会ともなり得ると前向きに捉えています」と記した。 大学の名称変更に合わせて運営法人の名称も「東京都公立大学法人」に、同法人が運営する産業技術大学院大学も「東京都立産業技術大学院大学」に変更する。 (取材・文:具志堅浩二)