「他党にも丁寧に意見を聞く」石破首相、所信表明演説で野党への配慮語る
日テレNEWS NNN
29日、政権の重要課題などを示す所信表明演説に臨んだ石破首相。103万円の壁の見直しなどが焦点となる中、演説で語ったのは異例とも言える野党への配慮でした。 ◇ 29日午後、衆議院選挙後「初」となる所信表明演説を行った石破首相。冒頭で語ったのは… 石破首相 「常時、率直に意見をかわす慣行を作り、おのおのの立場を明らかにしつつ、力を合わせるべきことについては相互に協力を惜しまず、世界の進運に伍(ご)していくようにしなければならない」 石破首相と同じく政権基盤の弱かったという石橋湛山元首相の言葉でした。
石破首相 「他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り、幅広い合意形成が図られるよう真摯(しんし)に、そして謙虚に、国民の皆さま方の安心と安全を守るべく取り組んでまいります」 少数与党として「丁寧に意見を聞く」と野党に歩み寄る姿勢を見せました。 今後、取り組む重要政策として外交・安全保障など3つの課題をあげた石破首相。そして注目される、与党と国民民主党で合意した年収103万円の壁の見直しについては… 石破首相 「党派を超えて優れた方策を取り入れるべく、最大限の工夫を行ってまいりました。いわゆる『103万円の壁』については、令和7年度(2025年度)税制改正の中で議論し引き上げます」 「手取りアップ」に向け、壁の見直しを石破首相自ら明言。玉木代表も深くうなずいていました。 また、同じく国民民主党が主張しているガソリン減税についても「見直しに向けて検討し、結論を得る」と強調しました。 少数与党となり、厳しい国会運営に直面する石破首相。国民民主党の政策を取り入れ、法案などの審議で協力を得たい考えです。 こうした石破首相の姿勢に自民党内からは「国民民主党をはじめ、野党から協力を得なければ自民党が終わりかねない」との声が。
また「政治とカネ」の問題については… 石破首相 「政治は国民のものとの原点に立ち返り、謙虚に、真摯に、誠実に国民と向き合いながら政治改革に取り組んでまいります」 政策活動費の廃止や、いわゆる旧文通費の使途公開に踏み切ると表明しました。ただ、野党側が廃止を求める「企業・団体献金」について触れることはありませんでした。 演説後、立憲民主党の野田代表は皮肉交じりにこう語りました。 立憲民主党 野田代表 「スカスカ2.0。印象に残る言葉がないじゃないですか。石橋湛山の言葉は残ったけど、石破総理の言葉は残らないでしょ。石橋と石破じゃえらい差」 国民民主党の玉木代表は… 国民民主党 玉木代表 「野党の協力なくしては政権が成り立たないということを石橋湛山の言葉をひきながら率直に述べた内容になっているのではないかなと。その意味では我が党が主張してきた、いわゆる103万円の壁については、令和7年度(2025年度)の税制改正の中で議論し、引き上げますと明言されたことは、第一歩が記されたということで評価をしたいと思います」 来週からは所信表明演説に対する各党の代表質問が行われるなど、本格的な論戦が始まります。