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「会社全体が狂っていた」かんぽ不正、局員が語る後悔の念

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西日本新聞

 かんぽ生命保険の不正販売問題が発覚してまもなく1年。長年にわたって詐欺まがいの不正契約を繰り返してきた営業現場の実態が明らかになり、いまだに営業再開の見通しは立っていない。日本郵政グループは不正に関する重点調査を今月末までに終わらせる方針だが、身内に甘い調査結果に終われば、さらなる批判が噴出する恐れもある。 【写真】2018年の内部資料では、既に不正販売の実態が報告されていた  不正販売の実態を話したい-。3月下旬、指定の待ち合わせ場所に男性が現れた。約30年間、保険営業を担当してきた50代の郵便局員。営業成績は常に上位で「管内優績者」に選ばれたこともある。「不正契約を繰り返すうちに、良心がまひしていった。多くの顧客に取り返しの付かないことをしてしまった」。男性は後悔の念を語った。  元々はまじめな営業マンだった。顧客宅に足しげく通い、ニーズに合った商品を提案しようと日々努めてきた。昔から詐欺まがいの営業をする局員はいたが、直属の後輩には「変な営業は絶対にするな」と厳しく指導してきたという。

年々引き上げられる営業ノルマ

 状況が大きく変わったのは2016年ごろから。長引く低金利の影響で保険料が大幅に値上がりし、かんぽの主力商品である貯蓄型保険は魅力を失った。「加入するメリットがほとんどなくなり、通常の営業方法では契約を取るのが難しくなった」  一方、会社は営業ノルマを年々引き上げていく。過剰なノルマを達成させるため、営業担当者は勧誘電話の回数から顧客宅の訪問回数まで厳しく管理され、成績が悪いと“恫喝(どうかつ)研修”に強制参加させられた。  そんな中でも、一部の優績者は高い実績を稼ぎ続けた。不審に思った男性が調べてみると、実態は顧客に不利益を生じさせる乗り換え契約ばかり。当初、男性はこうしたやり方に嫌悪感を抱いていたが、厳しいノルマに追い詰められ、3年ほど前から自身も手を染めるようになる。  乗り換え契約が全社的にまん延し、危機感を持った会社が抑制を指示すると、次に広まったのが「二重払い」だった。乗り換え契約の際、旧保険の解約をわざと半年以上遅らせることで新規契約を装う手口。顧客に保険料を二重払いさせる極めて悪質な契約だったが、上司は「(旧保険を)1年は解約するな」と率先して指示した。

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