自動車カスタムは「リスク」と隣合わせだった! 実際にあった「トラブル」事例とは
楽しいクルマのカスタムにもある驚きの失敗
クルマのカスタムは楽しいものだ。自分好みに愛車を変身させることができるし、カーショーやオーナーズミーティングなどに出してアワード(賞)が取れれば、目立てるし、仲間に自慢もできる。 【画像63枚】カーカスタムの本場、アメリカのSEMAショーの成功車や日本独自のカスタム車など だが、何事もそうだが、やり過ぎやカスタムしたことで実用性などを犠牲にした場合、とんでもない事態が起こることもある。 ここでは、筆者がクルマのカスタム雑誌で編集長を務めた時代に実際にあった、あり得ないほど驚きのカスタム失敗談を紹介しよう。記事展開での写真は、ご参考カスタムのほぼ成功例のものですが。
超扁平タイヤでホイールにガリ傷
ホイールを変える際、純正より大径のサイズを装着するインチアップは、クルマのカスタムでも王道のひとつだ。現在では、様々なデザインのアフターホイールが販売され、しかもサイズアップすることで、愛車の足元によりインパクトや存在感などを演出することができる。 近年は、車種によっても純正で20インチを装着するモデルもあるが、かつては、例えばトヨタの16型アリストに20インチを装着するというのは難しかった。だが、それを可能にしたのが、約15年~17年ほど前に登場した「超扁平サイズのタイヤ」だ。 235/35-20や235/30-20など、扁平率が「35」や「30」といったサイドウォールが薄いサイズのタイヤは、純正サイズが16インチや17インチのアリストなどでも20インチを装着することを可能にした。超扁平タイヤは、サイドウォールを引っ張り気味に装着することで、タイヤの外径を小さくでき、フェンダーを多少加工すればボディとの干渉もほぼなくなるためだ(車高調などでローダウンも必須)。 そういった大径+超扁平サイズのタイヤは、後に22インチや24インチなどにも波及し、セダンだけでなく、SUVやコンパクトカーなど、多くの国産車に大径ホイールのブームをもたらした。 と、同時に、2ピース構造や3ピース構造のホイールに多い、ディスク面がリム部の奧で接合した「深リム」ブームも巻き起こる。薄いタイヤと深リムにより、足元のインパクトなどはかなり増したのだが、そこでよく出てきたトラブルがリムの「ガリ傷」だ。 超扁平サイズのタイヤは、サイドウォールが薄いため、必然的にホイールのリム部がより露出する。そんな状態で、例えば、縦列駐車などで路側帯にクルマを寄せた際に、コンクリート製の路肩ブロックなどに接触すれば、「ガリガリガリ」とリム部に傷が入る。そのリムが削れる音を称して「ガリ傷」と呼ばれるのだが、こういったトラブルはかなり多かった。 特に、当時は、高級な大径ホイールを装着する「ラグジュアリーカスタム」と呼ばれるジャンルが人気だった時代。20インチ以上のアメリカ製ホイールだと、4本で100万円以上するものもあった。せっかく高いお金を出して購入したお気に入りのホイールが、ちょっっとした不注意で傷ものになったのだから、オーナーの意気消沈ぶりもハンパじゃない。 しかも、ガリ傷はそのまま放っておくと、サビが出たりする場合もあるからやっかいだ。こういった純正ホイールとタイヤでは起こらないようなトラブルは、インチアップなどのカスタムにはつきものだということを、十分に認識しておきたい。