【中学入試】2022年度教科別問題傾向分析(理科・社会編)
2022年2月18日に森上教育研究所が主催する「2022年入試 首都圏中学入試の結果と分析」セミナーがオンラインで行われました。今回は、セミナーで発表された今年の教科別の入試傾向分析と必要な対策についてお伝えします。今回は理科と社会です。
理科、社会においても新学習指導要領に沿った出題が増加へ
【新学習指導要領に沿った教科横断的な問いが増加】 国語、算数だけではなく理科、社会の両教科の入試問題においても、高校での新学習指導要領の実施、大学入学共通テストの開始の影響を受けた出題が増加傾向にあります。たとえば、教科別の出題であっても、理科の中に社会的な問題、社会の中に理科的な問題が含まれるといった教科横断的に多方面から物事の本質に迫ろうとする出題形式が増えてきています。 また時事問題を題材とした出題は、数年前から理科、社会とも頻出であり、これも現実的な問題を理科や社会の知識を活用して読み解かせようとする新学習指導要領に沿った思考力を問う問題といえます。塾の教材はこうした新たな傾向に沿ったものに変わりつつあるので、特別な対策を加える必要はありませんが、より本質的な思考力が問われるようになっていることは意識しておいたほうがよいでしょう。 時事問題対策は6年生の夏くらいから本格的に対策することになりますが、それまでは1週間のニュースのまとめのようなテレビ番組などを親子で見てニュースについて親子で印象的な会話を行っておけば、記憶に残るでしょう。 【図表を読み取る問題に対応できる基礎力を養う】 理科と社会で共通していえる傾向として、図や表を読み解き、それを活用して考えていく問題が多いということが挙げられます。この図表を読み解く力を支えるのが、各単元の基礎的な知識です。 4年生、5年生では各単元の基礎的な知識を丁寧に学習し、社会であれば世の中の社会事象はどのような理屈で動いているのか、理科であれば自然現象はどのような理屈で動いているのか、に関心を持てるようにできるといいでしょう。実際に入試に出てくるような図表を読み取る練習をするのは6年生の夏以降で大丈夫です。