Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

我谷盆に「風谷ブランド」 山中温泉の工芸品、3条件満たせば「印」

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
北國新聞社

 加賀市山中温泉で明治末期まで盛んに作られた工芸品「我谷盆(わがたぼん)」を手掛ける風(かぜ)谷(たに)アトリエ(同市)は6日までに、伝統技法で仕上げた作品を「風谷ブランド」と名付け、専用の焼き印を押す取り組みを始めた。4年前のアトリエ開設から見習いの職人は10人に増えたが、技術の継承には収入面で課題があり、昔ながらの「本物」に証しを示し、付加価値を高めることでふるさとの工芸品を守る。

 新ブランドの認定条件には▽クリの生木を用いる▽機械を使わず、くさびで一枚板に割る▽漆を塗らない―の三つを定め、木の風合いを生かした素朴な仕上がりであることを重視した。

 焼き印はネズミのロゴとし、急激に増えることを「ねずみ算」と呼ぶように「増加」のイメージがあるネズミをモチーフとすることで「商売繁盛」「伝統継承」の願いを込めた。

 新ブランドを冠した作品の販売は新型コロナの影響で予定よりも約4カ月ずれ込んだが、今月上旬までに山中温泉の旅館「花紫」と工芸品店「ガトミキオ/1」で取り扱いを開始した。

 アトリエを主宰する木工家森口信一さん(67)=京都府長岡京市=は作り手がほとんどいなくなっていた我谷盆の存在を知り、2001年から製作を本格化した。16年に山中温泉風谷町に木工塾を併設したアトリエを開設し、京都から車でほぼ毎週末通って後進育成に励んでいる。

 塾生は県内在住の50~70代の男女10人に増えたものの、職人として生計を立てるためには安定した収入が必要になるため、ブランド化事業に乗りだした。

 森口さんは「ブランドを育てていくことが作り手を育てることにつながる。昔ながらのやり方を何とか後世に残していきたい」と話した。

北國新聞社