787、胴体接合部に不具合も飛行支障なし ANAとJAL、通常運航
ボーイングは製造上の不具合が見つかった787型機について、飛行には支障がないとの声明を現地時間12月14日に発表した。すでに納入済みのものを含め多くが該当するとみられるものの、国内で787を導入する全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)グループは、通常通りの運航を続けている。 ◆納入遅延も 不具合は胴体接合部の一部で見付かった。ボーイングは不具合について、過去1年間の品質強化プログラムで見付かったものだとした上で、「飛行の安全性への懸念を直ちに示すものではない。製造拠点で組み立てた機体を徹底的に検証する」との声明を発表。飛行には影響がないとの見方を示した。一方で、今回の不具合に対処するため、787の今後の引き渡しに遅延が発生すると予測している。 ボーイングによると影響のある機体数は非公表だが、納入済みのものを含め、多くが該当するものとみられる。 監督するFAA(米国連邦航空局)も声明を発表し、ボーイングと断続的に連携し、あらゆる問題に対し適切に対応するとした。 787の最終組立工場は2拠点で、2007年にワシントン州シアトル近郊のエバレット、2010年に第2工場となるノースチャールストンが稼働開始。787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、エバレットでは787-8と787-9、ノースチャールストンでは3機種すべてを製造している。ボーイングによると、今回の不具合は2拠点で製造したものが該当しているという。 不具合が見つかった影響により、11月は787の引き渡しはゼロだった。 現在は787を月産10機で製造している。今年4-6月期(第2四半期)に従来の14機から減産したもので、2021年半ばをめどに月産レートを5機に再減産する(関連記事)。 ◆ANA74機、JALは49機 787は、国内ではANAとJALグループが導入している。今回の不具合は直ちに影響があるものではないことから、両社とも通常通りの運航を継続している。 ANAは3機種で74機保有している。内訳は787-8が36機、787-9が36機、787-10が2機で、いずれも通常通り運航しているという。 JALは100%子会社で中長距離国際線LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)の787-8を含め、787をグループで49機保有。内訳は787-8が29機、787-9が20機で、ANA同様、通常通りの運航を継続している。
Yusuke KOHASE