実は「スマホ元年」以前のWebコンテンツは消えている? Flashや個人HPを辿る難しさ
ガラケーサイトの終了の影響も、かつてのウェブコンテンツ消滅に大きく関与しているといえます。 ちなみに筆者もかつて好きだった掲示板型のガラケーサイトがあり、手を尽くして調べた結果、2012年までに閉鎖されていたことが判明。URLまでは特定できたものの、Wayback Machineでも各ページまでアクセスすることはできませんでした。ガラケーサイトはPCサイトに比べ、より一層「アーカイブされていない」ケースが多そうです。 スマホの登場で「ガラケーサイト」の需要が一気に減り、たとえばドコモのiモードは2019年に新規受付を終了しています。1990年代~2010年代前半のガラケー向けサイトの歴史はぶつ切りになっている状態で、どのようなサイトがあり、どのように盛り上がっていたのか知ることは意外と難しいのが現状となっています。
「スマホ黎明期のSNS」の閉鎖の影響も大きい
冒頭でFacebookやTwitter(現:X)は2024年現在でも健在としましたが、その裏には「閉鎖済みのスマホ黎明期のSNS」も存在しています。 たとえば、Googleがかつて運営していた「Google+」は人気SNSの1つでした。写真や動画などさまざまなコンテンツを投稿でき、更新性の高さやプラットフォームそのものの認知度の高さから、Google+への個人サイトの引っ越しも流行しました。 しかし、Google+は2019年にサービスを終了。結果、Google+でどの時期にどんなコンテンツが盛り上がっていたのか知ることは難しく、引っ越しした個人サイトも消失することに。 つまり、ホスティングサービス自体の終了にくわえ、「終了すると思っていないSNSに個人サイトが引っ越しをしてしまったこと」も、Webコンテンツ消失に拍車をかけているといえます。 余談ですが、アイドルグループ「AKB48」を中心とする48グループが2011年末~、数年間頻繁に更新していたSNSとしてもGoogle+は有名でした。「ぐぐたす選抜」の名称でGoogle+のCMソングを同グループが発表したこともあります。 しかし同グループが当時、Google+で行っていた発信を2024年現在から辿るには地道にWayback Machineを不完全ながらも辿るか、ファンによる無断転載を見るのが現実的な方法です。48グループのファンの方にとっては、同グループの絶頂期のSNSとその投稿内容が丸ごと1つ消えているのは大きな損失ではないでしょうか。