【高校野球】38年ぶり出場へ選手11人の県立進学校が21世紀枠の候補に 桑原健二監督「なんとか選ばれれば」
日本高野連は13日、来春の第97回センバツ高校野球大会(3月18日開幕・甲子園)に出場する21世紀枠の各地区候補9校を発表した。中国は、選手11人で中国大会8強入りを果たした県立進学校の大田(おおだ、島根)が候補入り。本選出なら、新制高校が出場した1949年以降では87年の大成(和歌山)、17年の不来方(こずかた、岩手)の10人に次ぐ少人数での出場となる。 令和の“さわやかイレブン”大田に、87年春以来の聖地出場のチャンスが訪れた。同人数で74年のセンバツ準優勝を果たし、「さわやかイレブン」と称された池田(徳島)をほうふつとさせる選手11人。21世紀枠候補に初選出され、桑原健二監督(54)は「高校球児が減っている現状。全国の人数がそろわないチーム、合同チームへの勇気につながれば」と、安どの表情を浮かべた。 少人数のハンデを圧倒的試合数で乗り越えた。新チーム始動時、「守備、ランナーをつけてやる実戦とか、練習があれこれできない」(桑原監督)現実に直面。ゲーム感覚を養うため、秋季大会開幕までの約1か月半で30戦以上もの対外試合を組んだ。指揮官は「投手は基本的に完投、そして2試合目はショートで出場」と苦笑いで振り返る。プロにも匹敵する過密日程を「全員野球」で消化した。 最速137キロ右腕の生越類人(2年)は期間中、基本的に中1日での先発完投を反復。「夏で気温も上がり、結構しんどかった」という。それでも「あれくらい投げたら仲間も信頼してくれる」と、今夏の甲子園で8強入りした大社・馬庭優太投手(3年)の熱投を刺激に耐え、「練習試合をたくさんし、大会では冷静な気持ちでいけた」と、中国大会は一人でマウンドを守り抜いた。 過去6度の甲子園出場はすべて初戦敗退。夢は38年ぶりの出場にとどまらない。悲願の聖地初勝利へ、桑原監督は「グラウンドでの全力疾走とか、見て爽やかなチームというのは自信を持っている。なんとか選ばれれば…」と、球春到来を願った。(南部 俊太)
報知新聞社