行方不明のハイカーを発見、カナダの雪原で1カ月生き延びる
(CNN) カナダ・ブリティッシュコロンビア州北東部の人里離れた土地で働く男性2人にとって、今月26日の朝はいつも通り始まった。しかし出勤のため小道を歩いていたところ、男性1人が重い足取りで原野を歩いているのを発見した。 彼らは男性が行方不明のハイカー、サム・ベナスティックさんだと気付いた。王立カナダ騎馬警察(RCMP)によると、ベナスティックさんは先月19日に失踪届が出されて以降、1カ月以上消息不明だった。 報告によればベナスティックさんは地方道路で見つかった。2本の杖で体を支え、切り裂いた寝袋で両膝(ひざ)を包み、寒さをしのいでいたという。 CNN提携局のCBCニュースはベナスティックさんについて、レッドファーン・キーリー州立公園での10日間のキャンプから同月17日に帰宅予定だったものの戻らなかったと報じていた。 ベナスティックさんは警察に対し、当初は車の中で数日過ごしていたと説明。その後山の近くの小川へ歩いて移動し、そこで10~15日間キャンプしたという。 それから渓谷を下って、干上がった小川の溝に避難場所を作った。RCMPが明らかにした。その場所から歩いている途中、上記の2人の作業員に発見された。 2人はベナスティックさんを地元の病院へ連れて行き、そこで警察が本人の身元を確認した。 ベナスティックさんの両親と兄弟は、現地の宿泊施設に20日以上滞在し、捜索活動の結果を待っていた。施設の責任者が明らかにした。家族は病院でベナスティックさんとの再会を果たしている。 施設の責任者が家族から聞いた話によれば、発見された当時のベナスティックさんは衰弱が激しく、今にも倒れそうだったという。 捜索にはカナダ軍のレンジャー部隊や現地に精通したボランティアらが数多く加わっていた。 ベナスティックさんのおじはCBCニュースのインタビューに答え、現場の寒さと日数の長さを思えば生き延びたのは「ある意味信じられない話」だと語った。