思い続ければいつでもそこに…「Endless SHOCK」千秋楽で堂本光一「誰がが継いでくれたら」
堂本光一が作・構成・演出・主演を務める「Endless SHOCK」が、昨日11月29日に東京・帝国劇場で閉幕。ステージナタリーでは、千秋楽カーテンコールと、その後に行われた堂本の囲み取材の様子をレポートする。 【写真】髪についたくす玉の紙吹雪を上田竜也、前田美波里に取ってもらう堂本光一。 2000年にスタートした「SHOCK」シリーズは、堂本が主演を務めるオリジナルミュージカル。同シリーズは今年の公演をもって幕を閉じることが決定しており、ラストイヤーの公演は、4・5月に帝国劇場、7月に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、9月に福岡・博多座で行われてきた。なおラストイヤーの帝国劇場公演は、来年2月の同劇場休館に向けたクロージングラインナップの一環でもある。 カーテンコールには11月の帝国劇場公演の出演者だけでなく、ライバル役の佐藤勝利らをはじめ、ラストイヤー公演を彩ったキャストも出席。なおライバル役の中山優馬は、スケジュールの都合で欠席した。出演者が舞台に並ぶと、舞台の上方にはくす玉が登場する。ひもを堂本が引っ張るとくす玉が割れ、「光ちゃん お疲れ様でした!」という垂れ幕と共に、大量の紙吹雪が。頭を紙吹雪だらけにした堂本は前田美波里から大きなバラの花束を受け取り、拍手の中で笑顔を浮かべた。 その後はキャストがあいさつした。ライバル役の上田竜也は、若手時代に「SHOCK」に出演した際、不真面目な態度をとったことで堂本から「ステージに立つな」と怒られてしまったエピソードを挙げながら「舞台に立っていて当時を思い出し、感慨深かった」としみじみ述べ、「コロナ禍で『Endless SHOCK』が中止になったときは、改めて『エンタテインメントとは何か』『ファンの皆さんは何を楽しんでくれるのか』と深く考えた。今ここに立っていられることに感謝します」と思いを語る。佐藤は「この作品のメッセージは僕らの胸に響き続ける。『Endless SHOCK』は文字通り“終わらない”舞台だと思うし、今日僕はお祝いの言葉を贈りたい。光一くん、おめでとうございます!」と堂本に笑顔を向けた。 リカ役の綺咲愛里は「たくさん出会いと、長く胸にとどめておきたい思い出をいただきました。本当に感謝しています」とコメント。同じくリカ役の中村麗乃は「現・帝国劇場に立つ」「憧れの神田沙也加が務めた役を演じる」という目標があったことを明かし、「2つの夢がかなった。歴史的瞬間を皆さんと過ごせてうれしい」と晴れやかな表情を浮かべた。 オーナー役の島田歌穂は「出演できたことは人生の宝物。皆さんと過ごした時間は、これからも私の力になるはず。命を削って背中を見せてくれた光一さんの姿は忘れません」とコメント。また堂本が「美波里さんがお客様に見えないところで泣き崩れていた」と明かすと、長年オーナー役を務めてきた前田は「『SHOCK』が終わるのも、18歳から立ってきたこの劇場がなくなるのも寂しい。光一さん、この舞台を超える作品をいつか作って!」と堂本に呼びかけた。 堂本は自身が演じた主人公・コウイチについて「コウイチは舞台に立つ人間としての“究極体”。“究極”ではない自分が彼を演じるのはつらかったけど、役に負けないよう気持ちだけは維持し続けてきました」とコメント。また堂本は「『SHOCK』専用劇場でも作れたら良いかな」と冗談めかして話しつつ、「僕はエンタテインメント界を卒業するわけじゃない。今後も皆さんに喜んでもらえるものを発信したい」と観客に笑顔を見せた。 さらに堂本は「皆さんが心の中で思ってくれれば『SHOCK』は生き続ける。それほどの作品に成長させてもらった」と劇場を見渡し、「舞台装置が欲しい人います? 飛ぶ車とか……」と観客の笑いを誘う。最後は堂本が「今日でシリーズは終わりますが、『SHOCK』の新しい形を何か考えたいと思いますし、カンパニーメンバーもそれぞれの場所でまた活動を始めるので、僕も応援したい。これまで本当にありがとうございました!」と一礼した。 カーテンコールのあと、堂本は客席で囲み取材に応じた。司会者に「千秋楽を迎えて泣いた?」と尋ねられた堂本は「いえ、全然!」と笑って答え、続けて「一度は『ようやく荷物を下ろせた』と思いました。でも公演を終えて、余計に重い何かが背中に乗ってきた気がする。ありがたいことに皆さんが、僕が作るエンタテインメントを求めてくれているのだなと感じました」と感慨深そうな表情を浮かべた。新作舞台の構想は「まだない」と言う堂本。「SHOCK」シリーズの今後については「僕自身、ほかの人が演じる自分の作品を観劇するのが夢の1つ。誰かが受け継いでくれたらうれしい」と話した。 取材会では堂本が、「SHOCK」シリーズの好きなセリフを明かす場面も。堂本はスピンオフ作品「Endless SHOCK -Eternal-」より「思い続ければいつでもそこにいる」という一節を挙げ、「これは僕が大切にしている考え方。“思い”は人を強くしてくれます。お客様は客席から思いを届けてくれるし、思いのつながりがあるからカンパニーメンバーと信頼関係が築ける。舞台の世界は思いの集合体です」と言葉に力を込める。 堂本は25年間続いた本シリーズを「僕は『SHOCK』ですべてを経験させてもらった」と改めて振り返り、「必ずしも誇れることではありませんが、皆さんの思いがある中で、自分の都合ひとつで幕を開けられないなんて僕にとってはあり得なかった。しんどいことはたくさんあったけど、強行突破してでも幕を開け続けられたことを今は幸せに思います」と述べる。最後に司会が「自身にとって『SHOCK』とは?」と問う。「難しいなあ」としばし沈黙した堂本は「“永遠”です。僕はこれからもエンタテインメントへの思いを持って生き続けるでしょうから、その期待も込めて」と回答すると、拍手に送られながら会見場をあとにした。 ■ Endless SHOCK 2024年4月11日(木)~2024年5月31日(金) ※公演終了 東京都 帝国劇場 2024年7月26日(金)~2024年8月18日(日) ※公演終了 大阪府 梅田芸術劇場 メインホール 2024年9月1日(日)~2024年9月29日(日) ※公演終了 福岡県 博多座 2024年11月8日(金)~2024年11月29日(金) ※公演終了 東京都 帝国劇場 □ スタッフ 作・構成・演出:堂本光一 □ 出演 4・5月公演 堂本光一 / 佐藤勝利 / 越岡裕貴 / 松崎祐介 / 高田翔 / 寺西拓人 / 松尾龍 / 尾崎龍星 / 石川直 / 中村麗乃 / 前田美波里 / 島田歌穂 7・8月公演 堂本光一 / 中山優馬 / 林翔太 / 室龍太 / 高田翔 / 原嘉孝 / 松尾龍 / 尾崎龍星 / 綺咲愛里 / 島田歌穂 9月公演 堂本光一 / 佐藤勝利 / 福田悠太 / 辰巳雄大 / 室龍太 / 高田翔 / 松尾龍 / 尾崎龍星 / 綺咲愛里 / 前田美波里 11月公演 堂本光一 / 上田竜也 / 福田悠太 / 辰巳雄大 / 越岡裕貴 / 松崎祐介 / 松尾龍 / 松浦銀志 / 石川直 / 綺咲愛里 / 中村麗乃 / 前田美波里 ※尾崎龍星は11月公演を全公演休演し、代わって松浦銀志が出演します。 ※4・5月公演の前田美波里、島田歌穂はWキャスト。 ※4・5月公演では「Endless SHOCK」「Endless SHOCK -Eternal-」を同時上演。 ※11月公演の綺咲愛里と中村麗乃はWキャスト。