夫がリウマチの治療で毎月「3万円」を超える注射を打つことに…家計を非常に圧迫しそうなのですが、同じような家庭は多いのでしょうか?
家族がリウマチの治療をするにあたって、毎月多額の出費が発生して困っているケースもあるでしょう。リウマチは使用する薬に多様な種類があり、場合によっては月に3万円以上かかる可能性もあります。 少しでも費用負担をおさえるためには、使える制度を知っておくことが大切です。今回は、リウマチの治療費や利用できる制度などについてご紹介します。
リウマチの治療にはいくらかかる?
リウマチの治療薬はおもに「内服薬」と「注射薬」に分かれています。内服薬には免疫を調節する効果があるとされているものや、JAK阻害薬と呼ばれる炎症反応を起こす働きを抑制するものなどがあり、薬の種類はさまざまです。 注射薬は「生物学的製剤」とも呼ばれ、炎症の原因物質の働きを抑制したり、そもそもの原因物質が作られにくくなったりするような効果があるとされています。 同じ効果でも薬の種類によって金額が異なり、受診する病院によって告げられる治療費が変わる可能性があるため、注意しましょう。例えば、A病院では3割負担で通常の内服薬が約800円~1万5000円台、JAK阻害薬は4万円台、注射薬は約2万円~5万円とされています。 また、生物学的製剤を使用した際の年間治療費では、3割負担で約50万円かかる可能性があるとしている病院もあり、リウマチ治療には多額の出費が発生するといえるでしょう。なお、金額はあくまでも目安なので、実際にかかる費用は通っている病院でよく確認することが大切です。
医療費の支払いが苦しいときに利用できる制度
リウマチ治療には場合によって多額の出費が発生します。しかし、家庭によっては収入や貯金だけでは費用が足りない可能性もあるでしょう。 リウマチ治療に際してお金が足りないときは、公的制度を利用できる場合があります。家族がリウマチ治療中のときは、条件に該当していないかチェックしておきましょう。 ■高額療養費制度 高額療養費制度は、ひと月で一定基準を超える医療費を医療機関や薬局の窓口で支払っている場合に、超えている金額分が支給される制度です。厚生労働省によると、69歳以下の方で世帯ごとの月額上限は以下のように定められています。 ・年収約1160万円~:25万2600円+(医療費-84万2000円)×1% ・年収約770万円~1160万円:16万7400円+(医療費-55万8000円)×1% ・年収約370万円~770万円:8万100円+(医療費-26万7000円)×1% ・年収約370万円まで:5万7600円 ・住民税非課税者:3万5400円 もし世帯が住民税非課税世帯で、リウマチの治療費が毎月4万円ほどかかっていたとすると、上限額を超えた約5000円が支給されます。 さらに、高額療養費制度では本人の治療費だけでなく、同じ医療保険に加入している同世帯の方の分の費用も合算が可能です。69歳以下の場合だと、2万1000円以上の自己負担があれば合算できます。 例えば、69歳以下で年収約350万円の方が毎月リウマチ治療で3万円を支払っていたとすると、制度の上限には届かないため、支給は受けられません。 しかし、配偶者が同じ保険に加入しており、持病で毎月さらに3万円の治療費がかかっていたとすると、夫婦で6万円です。高額療養費制度の上限を超えるため、超えた金額分の支給を受けられるでしょう。 ■障害年金制度 リウマチの症状が重く、日常生活にも支障をきたしているような場合は障害年金を受け取れるケースがあります。障害年金を受けられるかの基準になる障害等級は1~3級まであり、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに加入していた年金制度に応じて、1~2級なら障害基礎年金と障害厚生年金、3級なら障害厚生年金のみ受給可能です。 日本年金機構によれば、身体障害者手帳とは等級の基準が異なるため、手帳を持っていても等級が同じとはされない可能性があります。申請をしたいときは、まずはかかりつけの病院などで相談してみることがおすすめです。