洋上風力3000万-4500万kW形成へ…NEDOが刷新、「風況マップ」とは?
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は洋上風力発電の設置に適した場所を探せる「洋上風況マップ」を刷新する。風車の大型化を踏まえ、高さ数百メートル地点の風況も分かるようにする。2025年までに詳細な仕様を詰め、27年度にも切り替える。政府は40年までに洋上風力の発電容量で3000万キロ―4500万キロワットを形成する目標を掲げており、NEDOは風況マップの刷新を通じ案件形成を後押しする。 【写真】浮体式洋上風力 風況マップは日本の排他的経済水域(EEZ)内の年平均風速を確認できる。陸地から約30キロメートル以内の海域では、海面からの高度別に風向や風速を示した風配図、季節ごとの風速変化など詳細なデータも閲覧できる。また水深や生態系、海底地質、航路、漁業権など建設に必要な情報も同じ画面で確認できる。 近年、洋上風力の風車は発電出力を高めるため、大型化している。一方、風況マップは高さ140メートルの風況が限界で、大型化への対応が求められていた。気象衛星などから得たデータを基に、高度別に風況を計算し直して刷新することを想定する。投資額は数億円規模とみられる。 風配図など詳細な情報は、陸地から約30キロメートルにとどまる。政府は洋上風力の設置海域をEEZまで広げる方針で、今後は遠洋の風況を観測する手法の開発が求められる。