「加耶/任那」って何? 朝鮮に倭の拠点はあったのか?[新書ベストセラー]
12月3日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『人生の壁』が獲得した。 第2位は『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』。第3位は『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』となった。 3位の『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』は3世紀から6世紀に朝鮮半島に存在した小国群、加耶(かや)/任那(みまな)について解説した一冊。10月の終わりに出版され、じわじわと評判が広がり3位にランクイン。加耶/任那については高句麗・百済・新羅と並び、歴史の教科書で取り扱われていたものの、はたしてどのような国だったのか、しっかりと理解している人はあまりいないのではないか。倭の領土だったのか? 属国だったのか? 独立した国だったのか? 同書ではこれまでの通説を整理し研究史をひもときながら、日本書紀や広開土王碑・百済三書など史料の記述を精査。皇国史観、韓国民族史観を超えた客観的な近年の研究の成果をもとに、加耶/任那の実態に迫っている。著者は国立歴史民俗博物館教授の仁藤敦史さん。
1位『人生の壁』養老孟司[著](新潮社) 生きていくうえで壁にぶつからない人はいない。それをどう乗り越えるか。どう上手にかわすか。「子どもは大人の予備軍ではない」「嫌なことをやってわかることがある」「人の気持ちは論理だけでは変わらない」「居心地の良い場所を見つけることが大切」「生きる意味を過剰に考えすぎてはいけない」――自身の幼年期から今日までを振り返りつつ、誰にとっても厄介な「人生の壁」を越える知恵を正面から語る。(新潮社ウェブサイトより)
2位『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』荒木飛呂彦[著](集英社) 世界の16の国と地域で翻訳刊行されるなど、いまや古典となった『荒木飛呂彦の漫画術』(集英社新書)から10年。だが、ある時、『漫画術』を読んで漫画家になった人もいるとしたら、「もうちょっと深い話も伝えておかなければならないのではないか」と、荒木は考えた。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズをはじめとした荒木作品に登場する名悪役たちの魅力とリアリティはどのように生まれるのか? 漫画の王道を歩み続けるために必要なことは? いまだ語られなかった、漫画家・荒木飛呂彦の「企業秘密」を掘り下げた、新・漫画術。(集英社ウェブサイトより) 3位『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』仁藤敦史[著](中央公論新社) 加耶/任那は3~6世紀に存在した朝鮮半島南部の小国群を指す。『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる。他方で近年、半島南部で倭独自の前方後円墳の発掘が相次ぎ、倭人勢力説が台頭する。本書は、古代東アジア史の大きな争点である同地域の実態を実証研究から明らかにする。(中央公論新社ウェブサイトより) 4位『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』麻田雅文[著](中央公論新社) 5位『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』中野京子[著](中央公論新社) 6位『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆[著](集英社) 7位『地方消滅2 加速する少子化と新たな人口ビジョン』人口戦略会議[編著](中央公論新社) 8位『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』坂本貴志[著](講談社) 9位『大阪 人づくりの逆襲 サントリー、ダイキン、パナソニック…なぜ人材が太く育つのか』石川智久[著](青春出版社) 10位『答え合わせ』石田明[著](マガジンハウス) 〈新書ランキング 12月3日トーハン調べ〉 協力:新潮社 Book Bang編集部 Book Bang編集部 新潮社
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