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「技術は見て盗め」をやめた二次下請け 人材難のプラント業界で「働き方改革」

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ツギノジダイ

 発電所や医薬品、石油化学だけでなく、新型コロナウイルスの対応に欠かせない除菌スプレーなどもつくっているプラント。そんな業界で、人手不足や働いても稼げない現状を変えようと、工場の定期修理(定修)を担う下請けの中小企業が、働き方改革に乗り出しています。旗振り役は、野村證券を退社して父の後を継いだ2代目常務です。「若い人にプラント業界に興味を持ってもらうには、職人一人ひとりを大切にする必要がある」と考え、職人たちの出張先の相部屋をなくし、給与を上げ、「技術は見て盗め」といった教育制度も変えました。そんな改革には、入社後に自ら現場で味わった苦い経験が生かされていました。父のがんをきっかけに事業承継を決めた2代目は、父と二人三脚で売り上げを伸ばしています。

需要高まる工場の定期修理、全国展開の柳井工業

 改革を始めているのは、「柳井工業」(大分市)の2代目柳井寿栄(ひさよし)さん。柳井工業は、全国の工場に年間10カ所ほどへ赴き、おもに二次下請けとして、定修でタービンなどの回転機器を専門にメンテナンスをしています。タービンは工場の動力源として欠かせない設備です。  矢野経済研究所によると、2018年度のプラント業界の市場規模は9千億円。高度経済成長期に建設された工場がどんどん老朽化する一方で、設備トラブルを起こさないためのメンテナンスの重要性が高まっており、市場はこれからもやるやかに拡大すると予測しています。  父の寿朗さんが会社を立ち上げたのは1981年。工場のメンテナンスの仕事は今よりも活気があったそうです。ですが、ベテランが退職する一方で、若手が育たなくなり、最近は人手不足に陥っていました。さらに、元請けの大手企業に下請け企業がいくつも階層的につらなる「多重請負」の影響も大きくなり、3次、4次下請け企業になると仕事に見合った報酬が得られにくくなっています。柳井さんは「私が入社した2009年当時は、全国を飛び回る仕事なのに、給与は高くなく、若手には単調な仕事しか任されませんでした」と振り返ります。

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