57歳「賃貸暮らし」の会社員。相続した遠方の実家は「築40年」で使い道がない! 売却したいけど税金がかかるって本当ですか? 自宅を売ったときはかからなかったのですが…
親が亡くなり実家を相続すると、維持管理の手間やランニングコストが負担となるケースは少なくありません。そのため活用する予定がなく空き家になるなら、売却を検討しようとする人もいるのではないでしょうか。また、売却する際は、税金がどうなるのかも気になるところです。 実は自宅の売却ではかからなかった税金が、相続した実家の売却時にはかかってしまうケースがあります。本記事では、自宅の売却と相続した実家の売却で、なぜ税金に差が生じることがあるのかを解説します。また、どうすれば節税できるのかも解説しますので参考にしてください。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
不動産を売却するとどんな税金がかかるのか?
そもそも不動産売却時の税金はどのように課税されるのでしょうか? 売買契約に伴う印紙税などを除けば、売却に伴う税金は、売却の翌年に給与などほかの所得とは分離されて所得税(復興特別所得税含む)と住民税が課税されます。 ただ、課税されるのは売却代金ではなく、あくまでも売却によって得た利益である「譲渡所得」です。「譲渡所得」を算出するには、まず、売却代金である譲渡価額から「取得費」や「譲渡費用」を差し引きます。 「取得費」は売却した不動産を当初取得した際にかかった経費であり、不動産の購入代金やその際の仲介手数料などの合計です。逆に「譲渡費用」は売却時に不動産会社に支払う仲介手数料や測量費、建物解体費用など今回の売却にかかる経費になります。 さらに一定の要件に該当し「特別控除」の適用を受けられれば、その控除額を差し引くことが可能です。そのため課税される譲渡所得金額の計算式は「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)- 特別控除額(該当する場合)」となり、この金額に税率を掛けたものが所得税額や住民税額になります。 税率は不動産の所有期間で異なり、5年を超えていれば「長期譲渡所得」として所得税15.315%、住民税5%となり合計20.315%です。相続の場合の所有期間は被相続人である親の所有期間を引き継ぐため、築40年の実家の売却ではこの税率が適用されます。