新敵地で覚醒した22歳 左腕は戦力外に…現役ドラフトで移籍、パ6選手の1年
9日に3度目となる現役ドラフトが行われる
昨年12月に行われた2回目の現役ドラフト。パ・リーグ6球団に加入した選手は、移籍初年度となった今季どのような成績を残したか。移籍前後で比較しながら、シーズンの活躍を振り返っていく。 【映像】戦力外も…運命のトライアウトに遅刻、土下座も虚しく強制退場 日本ハム・水谷瞬外野手にとって2024年は転機のシーズンとなった。ソフトバンク時代は1軍出場がなかったが、4月9日に自身初めて1軍へ昇格する。そして4月11日、古巣・ソフトバンク戦で「6番・レフト」としてプロ初出場・初スタメン。1点ビハインドの3回、1死満塁のチャンスでレフト前へ同点適時打を放ち、これがプロ初安打、初打点になった。 交流戦では待ちに待ったプロ初アーチが出るなど15試合連続安打を記録。歴代最高となる打率.438を叩き出し、最優秀選手賞を受賞。「マイナビオールスターゲーム2024」にはプラスワン投票で初出場した。 楽天・櫻井周斗投手は5月10日の西武戦で移籍後初登板。1軍戦は3年ぶりの登板となったが、2奪三振を含む3者凡退。5月18日・オリックス戦では2回無安打の好救援で4試合連続無失点とした。 ところが、5月21日のソフトバンク戦で被安打6の6失点。その後は2試合無失点も、7月10日ロッテ戦では4回途中4失点を喫し、今季2度目の出場選手登録抹消となった。10月5日に来季の契約を結ばないことが球団から発表された。 広島時代は主に先発だった中村祐太投手は、西武で迎えた今季、中継ぎの一角としてプロ入り最多27試合に投げた。5月17日のソフトバンク戦から8試合連続無失点を記録。イニングをまたいだ登板もこなし、地道にブルペンを支えた。
オリ移籍の右腕は6年ぶりに30試合以上に登板
ロッテ・愛斗外野手は、移籍後初安打を4月3日に記録。この日は途中出場だったが、2安打を記録し延長戦勝利に貢献した。チームの11連勝がかかった6月1日の阪神戦では延長11回、2死二塁からライトオーバーのサヨナラ安打を打ち、ヒーローになった。 昨年までブルペンを支えた投手陣が離脱してしまった今季のオリックス。その窮地を救った一人が、32試合に登板した鈴木博志投手だ。 移籍後初登板は5月22日の日本ハム戦。4点ビハインドの7回、1死一、二塁を無失点で切り抜けた。ブルペンデーとなった5月26日の西武戦は、鈴木が先発を任され、3回無失点と役目を果たした。6月1日には古巣・中日と対戦し、2回2/3を無失点で移籍後初ホールドが記録される。 53登板したプロ1年目の2018年以来、6年ぶりに30試合以上に登板。2桁のホールドポイントもルーキーイヤー以来の数字となった。 ソフトバンク・長谷川威展投手は登板数、勝利数、ホールド数などいずれもプロ入り最多の数字。変則左腕の中継ぎとしてリーグ優勝に貢献した。 移籍後初登板となった4月7日楽天戦。2-2の6回2死二塁の場面をしのぎ、自身2年ぶりのホールドを記録。4月29日の西武戦では2点ビハインドの9回を3者凡退で抑えると、その裏にサヨナラ勝ちし、プロ初勝利が転がり込んできた。 日本シリーズは第3戦で初登板。横浜DeNA・牧秀悟選手らを打ち取り、1回1四球無失点だった。 このオフには3回目の現役ドラフトが開催される予定。新天地へ移る選手たちのパフォーマンスに来季も注目だ。
「パ・リーグ インサイト」編集部