世界最大の化粧品会社が目指す美と環境のハーモニー
1909年、一人の化学者が開発した先進のヘアカラーとともに壮大な「美」の歴史の幕を開けた世界最大の化粧品会社・「ロレアル」。「ロレアル パリ」「ケラスターゼ」「メイベリン ニューヨーク」「イヴ・サンローラン・ボーテ」「ランコム」などの錚々たる傘下ブランド持ち、エミリー・ラタコウスキーやジジ・ハディッドら旬なミューズを起用した広告で世界を魅了し、先進のテクノロジーで常に時代をリードし続ける「美」の最高峰だ。その地位を揺るぎないものにしているのは、最新鋭のラボにおける研究開発と美の革新に日々取り組む真摯な姿勢、そして時代の先を読む確かな眼と緻密な戦略に他ならない。世界のビューティーカルチャーをリードしてきた「ロレアル」はまた、かねてより化粧品会社という立場からスケールの大きな環境および社会的課題に取り組み続けている。そこで今回は「ロレアル」と環境の関係について、ロレアルの日本法人である日本ロレアル株式会社の広報担当者に伺った。 【写真】ロレアル創業者ウージェンヌ・シュエレール氏と1900年代初頭の貴重なポスター ーグローバル展開の面で重きを置いていることは何でしょうか? ロレアルは1909 年にフランス・パリで化学者のウージェンヌ・シュエレールにより創設されました。現在世界150カ国の地域で事業を展開し、約88,000人の従業員を有する世界最大の化粧品会社です。創設以来、ロレアルはグループ全体として「美は人生を変える(BEAUTY FOR ALL)」を企業ミッションに掲げ、世界各国のすべての人々に「美」を提供することを使命としています。現在日本をはじめ世界150の国と地域で事業を展開していますので、その地域によってニーズも美容習慣も多様で異なります。ですので、そうした違いを捉え、理解と尊重をし、全ての消費者の願いを叶えるべく動いています。そのために、世界各国の戦略的市場に研究開発およびマーケティング拠点を置き、ネットワークを構築しています。
ロレアルが世界に発信したメッセージ
ー化粧品会社としてグローバルで包括的かつスケールの大きな環境への取り組みをしていますが、その詳しい内容について教えてください。 まず2013年10月23日に「ロレアルグループ」として、2020年に向けてより良い環境や社会の持続的発展のためのコミットメント「SHARING BEAUTY WITH ALL―美のすべてを、共に次世代へ―」を発表しました。これは、環境や生物多様性を保護する「美」、地域社会や社員一人ひとりを支援する「美」そして、「ロレアル」に多大なる信頼を寄せてくださる世界中の人々に持続可能で魅力的な製品をお届けする「美」など、「美」を 環境および社会の持続的発展のために活かしながら、全ての人々に「美」を届けることを目的に、昨今の世界的な課題である地球温暖化をはじめ、貧困、男女格差などの課題にいち早く講じるための施策です。 その内容は、次の4つの柱がベースになっています:1.イノベーションにおける持続的発展(=環境に優しい新処方、再生可能な原料の使用やパッケージの改良、そして社会的にポジティブな影響を与える新製品等) 2. 暮らしにおける持続的発展(=ロレアルの製品を使う人々が持続可能なライフスタイルの選択をできるようにする等) 3.生産における持続的発展(=全世界の人々に「美」を届け、環境に与える負荷を削減する等)4.社員・サプライヤー・コミュニティーにおける持続的発展(=手厚い福利厚生や社会的に弱い立場にあるコミュニティや同等の労働力に対し働く機会を提供する等)。これらに準じてさまざまなプロジェクトを推進しています。