白髪になる原因と対処法を専門ドクターが徹底解説
1 白髪になる仕組みとは?
「髪の毛の毛母細胞の所には、色素を作る細胞、メラノサイトがあります。若い頃はこの細胞が活発に働いて、ユーメラ二ン(褐色~黒色)とフェオメラ二ン(黄色~赤色)の2種類のメラニン色素をしっかり作り、髪に黒色(※色は個人差あり)を届けています。しかし年齢とともにメラノサイトの産生が衰えて、各色素量が減っていき、最終的にどちらの色素もなくなることで髪が白髪に変化します」(浜中聡子先生/クレアージュ東京 エイジングケアクリニック 院長)
2 白髪になってしまう原因とは?
加齢 「いちばんの原因は加齢変化です。加齢によって体内の血流が落ち、細胞の機能が落ちてしまうことで、髪の色素の働きも変化するためです。 病気で一時的に白髪が大量に生えた場合は、病気が回復すればまた黒髪が生えてくることもありますが、残念ながら加齢による白髪は一度白くなったらほぼそのまま。特別何かしたからといって元の黒髪に劇的に戻ることはないのが現実です」(浜中先生)
病気 「たとえば円形脱毛症の場合、回復期に髪は生えてきますが、最初は色素細胞の産生が追いつかずに白髪で生えてくることもあります。また白斑症などの皮膚疾患の場合は、その部分の色素が抜けてしまうため髪も皮膚と一緒に白くなることがあります。女性に多い橋本病などの甲状腺機能低下症も、状態が急激に不安定になったときに白髪が増えやすいですね」(浜中先生)
栄養不足 「銅や亜鉛など、髪に必要な栄養はたくさんありますが、特に白髪にとって大事なのは鉄分。重い生理や婦人科疾患、胃腸疾患など、さまざまな面で女性は男性より鉄の排泄量が多く、鉄欠乏性貧血のケースも多いです。貧血が慢性化すると髪質が悪化し、白髪も年齢相応以上に進行してしまいます」(浜中先生)
ストレスや生活習慣の乱れ 「マリー・アントワネットがショックのため一夜にして白髪になった話が有名ですが、これは極論だとしても、ストレス負荷が急に強くかかることで免疫力が落ち、髪に関わらず体全体にマイナス影響が及んだ結果、白髪や抜け毛が一気に増えてしまう。実際にそうした経験をもつ人もにいるでしょう。しかも徐々に増えるというより、何かを機に一気に増えて、しばらくは同程度の量で、また次のきっかけで一気に増える、という波のあるパターンが多いです」(浜中先生)