嫌われ役から英国王室を救う存在へ。カミラ王妃の好感度逆転劇を追う
カミラ王妃はまた、チャールズ国王との外遊の際もメディアが取材するレセプションや国家行事だけでなく、DV被害者やレイプ被害者を支援する団体に公式・非公式に接触し、実情をリサーチしているという。昨年6月にルワンダを訪問した際には、女性と女児に対する暴力に関する会議で基調講演を行なった。その後、地元の公立図書館で子どもたちと過ごす時間を設けていて、カミラ王妃の最大の関心ごとがこの2つであることがよくわかる。
母親が貴族令嬢だが、カミラ王妃自身はコモナー(一般人)として生活した期間が長く、あまりロイヤルのしきたりに縛られていない点も国民人気を押し上げる要因となっているようだ。しかもアクティブ! 思い立ったら吉日、とばかりに行動が早いのだ。そういう意味では、危険極まりない地雷原を自ら歩いて地雷撤去を世界中に訴えた故ダイアナ妃と通じる部分があるかもしれない。 写真:ダイアナ妃
例えばパンデミックで経済的に困っている高齢者のために地元のパブでランチを無償提供しているデヴォンシャーの貴族がラジオ・インタビューに出演したところ、女王のスタッフから電話が入り、ランチに参加したい旨を告げられたという。外出制限があったので即座に実現はしなかったが、事態が落ち着いた頃にカミラ王妃が約束通りにデヴォンシャーを訪問。2時間近くもパブで高齢者とおしゃべりしたが、メディアが報道することはなかったという。イメージアップしようという意図はなく、純粋に善意からの行動であり、草の根的に国民人気を得ていることがわかるエピソードだろう。
厳しいしきたりを緩和
カミラ王妃はファッション面でもロイヤルの厳格なルールを一部緩和したようだ。カミラ王妃はどのロイヤルよりも優先的に身につけるドレスの色合いを決めることができる立場だ。王室行事に参加する場合、ロイヤルたちは伝統的に同じ色味は避けるのがしきたりだった。しかし彼女が好むブルーは、キャサリン妃とソフィー妃のお気に入りでもあり、時にはドレッサーの間に不満が生じることもあったようだ。それを知ったカミラ王妃は、義娘と義孫が似たような色味のドレスを身につけることを許可したのだ。 写真:カミラ王妃、キャサリン妃