【BS松竹東急】映画好きなら見逃せない! 今見てほしいこの3本!! ―さまざまなカリスマたちに酔いしれる
今月はその存在と作品によって、多くの人を魅了したカリスマたちの映画が登場する。ブルース・リーは、アクション映画の流れを変えたカリスマ。その彼の代表作「燃えよドラゴン」(73)が放送される。ブルース・リーは子どもの頃から俳優として活動し、また詠春拳を基本として、後に自らの武術ジークンドーを創始した武道家でもあった。その彼がリアル、かつスピーディーなクンフー・アクションと、高速で振り回すヌンチャクや攻撃するときに発する怪鳥音などを駆使して、映画的に〝魅せる〞アクションを作り上げたのが「燃えよドラゴン」である。彼はこの作品の撮影後、73年7月20日に32歳の若さで急逝。生前に完成した主演アクション映画は、約2年の間に4本しかない。ただ初期の「ドラゴン危機一発」(71)と「ドラゴン怒りの鉄拳」(72)には、旧来の香港クンフー映画のテンポとスタイルが感じられるが、ローマを舞台にした自らの監督作「ドラゴンへの道」(72)では、明らかに世界市場を意識した、ハイテンポでコミカルな味わいも加味したアクション映画を完成させている。そしてハリウッド進出の第一弾「燃えよドラゴン」が作られたが、その後の映画におけるリアルファイトの多くが、この作品のブルース・リーの影響下にあることを思うと、歴史を塗り替えたことを改めて感じる。今につながるアクションの原点という意味でも必見だ。
西城秀樹は、1970年代に活躍したアイドル歌手のイメージが強い。だがそれに留まらず、スタジアムでのワンマンコンサートや日本武道館でのコンサートを日本人のソロ歌手で初めて行った、アーティストのパイオニア的存在でもあった。彼の情熱的でセクシーな、アクションを交えた歌唱パフォーマンスは、80年代から香港を中心にアジアでも多くのファンを集め、あのジャッキー・チェンも熱狂した一人。その彼が75年に開催した、『西城秀樹・(縦断)全国サマーフェスティバル』に密着したドキュメンタリー映画「ブロウアップ ヒデキ」が放送される。『情熱の嵐』や『傷だらけのローラ』など十数曲を歌う秀樹の映像をはじめ、当時20歳だった彼が青春や愛を語るインタビュー場面など、その魅力が凝縮された1本になっている。