前回、東海大に5連覇を阻止された青学大は2区に1年生を入れるイレギュラーともいえる区間エントリーになった。 【青学大】1区宮坂大器（1年）2区岸本大紀（1年）3区鈴木塁人（4年）4区市川唯人（3年）5区飯田貴之（2年）6区谷野航平（4年）7区中村友哉（4年）8区岩見秀哉（3年）9区神林勇太（3年）10区新号健志（3年）補欠：吉田祐也（4年）吉田圭太（3年）湯原慶吾（2年）早田祥也（2年） 近藤幸太郎（1年）中倉啓敦（1年） 　2区に入った岸本について、原晋監督は、「歴代で1番。2028年のロス五輪のマラソン代表争いに間違いなく絡んでくる逸材だと思う」とべた褒め。半分は本音だとしても、選手を「乗せる」ための言葉だと予想する。というのも岸本は12月中旬に左足小指付近を痛めて、21日のポイント練習（5km×2本）を回避。21～23日の3日間はジョグも控えており、100％の状態ではないからだ。出雲と全日本は2区で好走したとはいえ、終盤に上りがある23.1kmの長丁場は厳しい戦いになるだろう。 　1区は出雲と全日本で1区を務めた湯原が濃厚で、前回9区区間賞の吉田圭太が3区、もしくは4区に入るはず（もしかすると2区に入る可能性もある）。5区以降の戦力は東海大ほど強力ではない。総合優勝を狙うには、吉田圭太が走り終えた時点で東海大から1分以上のリードを奪っておく必要があるだろう。「各区間3位以内なら総合優勝は見える」と原監督は話しているが、まずは1区と2区でそれができるか。 　往路を2連覇中の東洋大は今回も“攻め“のスタイルを貫いてきた。 【東洋大】1区西山和弥（3年）2区相澤晃（4年）3区吉川洋次（3年）4区渡邉奏太（4年）5区宮下隼人（2年）6区今西駿介（4年）7区山田和輝（1年）8区前田義弘（1年）9区定方駿（4年）10区古川隼（1年）補欠：大澤駿（3年）田中龍誠（3年）蝦夷森章太（2年）及川瑠音（1年）久保田悠月（1年）清野太雅（1年） 　1区に出雲と全日本は不発だった西山をエントリー。「彼が本来の走りをすれば往路3連覇はいける」と酒井俊幸監督は2年連続で1区の区間賞を獲得している西山に好スタートを託した。そして2区に相澤を配置。日本人最高記録（1時間6分45秒）の更新を目指す学生長距離界のエースで大量リードを奪う作戦だ。 　3区は出雲と全日本を欠場した吉川が入り、4区には全日本で復帰した渡邉を登録。1～4区に2年前からの主力をつぎ込んだ。そして5区は2年連続で往路の優勝テープに飛び込んだ田中ではなく、宮下を配置。前回区間8位の確実性より、関東インカレの1部ハーフマラソンで東海大・西田に先着して日本人トップを奪った2年生のポテンシャルにかけてきた。 　狙い通り往路3連覇となれば、6区今西で東海大を突き放すことができる。7～8区は劣勢になるが、出雲と全日本で他校のエースと互角に渡り合った9区定方で再び、攻撃が可能。そうなると東海大と10区まで競り合うことができるだろう。ただし、7、8、10区以外で選手交代があると戦力は大幅にダウンする。どんなオーダーで臨むことができるのか。