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子ども2人を亡くし4回目の妊娠、「初めて毎月、妊産婦健診が受けられる」東ティモールの無医村、日本のNGO支援で住民の命を守るヘルスポストが始動

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 18年前にインドネシアの占領から独立した東ティモールだが、首都のディリ近郊でも医者や医療機関のない無医村がある。東ティモールで医療支援を行っている日本のNGO「シェア=国際保健協力市民の会」(以下NGOシェア)は、日本政府の支援によりディリ県マヌテルラオ村ベサヘ集落に昨年10月末、ヘルスポストを作った。ヘルスポストとは、公的な保健医療施設の末端で、住民に妊産婦健診や予防接種など一次保健医療サービスを提供する施設。ここを基点に周辺の6集落、約2000人の命を守る活動が始まっている。

子どもの病気や死はすぐそこにある

 今年1月6日、ベルタさん(28)は妊産婦健診のために初めてヘルスポストに訪れた。ベルタさんは1人目の子どもを生後1週間で亡くし、2人目も流産した。保健センター(地域の中核医療施設でヘルスポストよりも規模が大きい)は徒歩で1時間以上かかったため、妊産婦健診にはこれまでに1~2回しか行けなかったという。ベルタさんは、自宅から徒歩30分以内にヘルスポストができた事で、「授かった赤ちゃんが元気に産まれて育つように、毎月健診に来られる」と安堵感をにじませた。

 ベキアル地区に住むイネス・メスキタさん(20)は昨年12月27日に初めて受診した。9カ月になる初めての子どもが風邪になったので、夫がバイクで連れて行ってくれた。体重を測り、薬がもらえた。「大きな問題がないことを確認出来た。特に体重を測ってもらえたことが嬉しかった」と話した。東ティモールでは、病気になってはじめて身長や体重、視力などを知る事が多い。それは公的機関で健康診断が日常的に行われておらず、自分の身体について知るチャンスが少ないためだ。

 NGOシェア東ティモール事務所のロジーニャ・ソアレス・プロジェクトマネージャー(36)の故郷はディリから3時間ほどのリキサ県の山の中だ。そこに暮らす従妹は15歳で妊娠したが、保健センターが遠く、健診を受けられなかった。妊娠8カ月で赤ちゃんが動いていないことに気が付き、ディリの国立病院に緊急搬送したが、赤ちゃんは亡くなった。「子どもの病気や死はすぐそばにあります。妊娠や出産、病気の知識が少ないため、必要な保健行動が取れないのです。栄養不良や下痢症にかかる子どもたちも目にします。」と話した。この状況を改善するために出来たのがヘルスポストだ。

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