「M-1出ない」発言の準優勝コンビは第2の千鳥になれるか?東京進出成功のカギは意外と“コンビ仲の悪さ”
千鳥もかつて東京進出のち人気低迷した時期も
ここ最近、特に吉本興業に所属する芸人を中心に東京進出が加速し、さや香と同時期にはビスケットブラザーズ、ヘンダーソン、滝音、シモリュウなどが東京に拠点を移した。 そんな東京進出の成功例で言えば、千鳥のブレイクへの経緯が分かりやすい。 千鳥は大阪で絶大な人気を誇り、2012年ころから東京進出を決意。鳴り物入りで東京に来た千鳥は、『THE MANZAI』(フジテレビ系)で結果を出し、若者に人気だった『ピカルの定理』(フジテレビ系)で新レギュラーを獲得した。 しかし、『ピカルの定理』が2013年に終了すると、千鳥は勢いを失い人気が低迷。2014年に東野幸治の発案で、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)にて「帰ろか…千鳥」という東京進出の失敗をネタにした企画ができたほどだ。 ただ、この『アメトーーク!』への出演をキッカケにテレビ関係者から知名度が上がり、さらに変わったロケを行う『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)が話題に。ロケの達人として知れ渡り、次々とレギュラー番組が立ち上げられ大ブレイクした。 千鳥の後は、2018年に東京へ活動拠点を移したかまいたちや、2人とも40歳をこえて東京で人気が出たダイアンがブレイク。さらに、さや香とも年齢が近い霜降り明星などが、東京進出で成功しているコンビだ。しかし、どの芸人も東京進出はスムーズにいったわけではなく、紆余曲折ありながらそれぞれのコンビが基盤を作った。 さや香もこの流れに乗っているコンビであり、新山は今年5月に放送した『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で「令和の視聴率男になりたい」と真面目に発言。テレビ出演を重視する方向性を示し、第二の千鳥を狙っていることは明らかだ。そんなさや香は、スムーズに東京進出を成功させることができるのか?
さや香は第2の千鳥になれるのか?
さや香の魅力は、何と言っても千鳥と同じくオールマイティーにお笑いができるところだ。 『せやねん!』ではさまざまなロケに挑戦し、大自然で新鮮な天然食材を0円でゲットする「スーパー新鮮」でも実力を発揮。ワードセンスが良い新山と、臨機応変に進行できる石井のコンビネーションは抜群だった。ネタは当然おもしろく劇場での仕事は東京でも多く、基盤はすでに切り開いている。 トークに関しても、特に新山は東京進出してからの短い期間で、ネットニュースになるようなパンチラインを次々と番組で披露している。 現状レギュラー番組は、『さや香の違和館ヤバない?』(テレビ大阪)位しかないが、東京でも実績を上げているだけに、早々に深夜番組を受け持つ可能性が大。 また、9月6日放送の『酒のツマミになる話』では、先輩であるダイアン・津田篤宏が楽屋で態度がでかいことを暴露し、千鳥とともに爆笑に変えた。東京で活躍する先輩とのコンビネーションも良く、今後は千鳥を東野がフックアップしたように先輩たちからの援護射撃もあるだろう。 とはいえ、現時点では新山が孤軍奮闘している印象で、石井はかなり影が薄い。千鳥と同じく東京進出のスタートダッシュはうまくいったものの、今後はコンビでの仕事や、石井の活躍がなければ勢いが失速する可能性もある。実力があるだけに、どれだけ巡ってきたチャンスを掴めるかに注目だ。