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狂気のゴルフゲーム革命!?『WHAT THE GOLF?』ボールがないなら何でも飛ばせばいいじゃない

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エムオンプレス

デンマークの小さなインディーゲームスタジオが作り上げた実験作『WHAT THE GOLF?』がPC、iOSに続き、Nintendo Switch(TM)でも遊べるようになった。画面の雰囲気は北欧産らしく、シンプルながらも温かみのある造形と配色で調えられている。だが肝心のゲーム内容はタイトルが象徴しているが、常軌を逸したゴルフゲームだったりする。妙なモノを打ち、あるいは操作し、妙なモノにぶつかり合いながらピン(旗竿)を目指すうちに、妙な爽快感と達成感とが交錯する。そんな、ゴルフが秘めているプリミティブな多幸感が押し寄せる強めのプレイフィールにもかかわらず、ゴルフコースのボリュームはたっぷり。本稿では、うっすら狂気すら感じる本作の概要と楽しみかたをお伝えする。 【画像】『WHAT THE GOLF?』プレイ画面 文 / カタカメーン ◆ゴルフの概念を拡大解釈しすぎたホールが次々に出現 プレイヤーは、ギュウギュウに詰め込まれたコースを次々とクリアし続けるソロプレイ用のモード“キャンペーン”を中心に遊ぶことになる。このモードの舞台は、パターゴルフ場のようなゴルフ研究所だ。ゴルフボールを打って移動させ、施設内のさまざまなホールを体験していく。と言ってもまともにゴルフボールが打てるのはこの研究所内くらいで、ひとたびホールに出ればゴルフボールが用意されていることが珍しくなるのだが……。なお研究所の通路はロックされている箇所があり、ホールを規定数クリアすればアンロックされる。ホールのクリアを重ねて、先に進もう。 ラウンド中の操作はとても簡単で、粗く表現すれば“クラブの選択がないゴルフゲーム”と言ったところ。打ち出す方向を決め、力の強さをゲージの溜まり具合で調節しながらショットすれば、動物や家具、自動車、家、サッカーボール、丸いキャラクター、ゲル状のものといった“何か”が飛ばせる。よってティーショットでは周囲の予想を裏切るようなものが飛んでいく仕掛けが多く、カップインできないほど巨大なものばかりを飛ばすことに。そんな“何か”をピンに当てれば、画面上に大きくメッセージが表示され、そのホールはクリアとなる。 キャンペーン以外にもいくつかモードが存在する。2人で対戦できる“パーティーモード”はキャンペーンに登場するホールが11種ピックアップされ、2人が同時にショットして早入れを競う。3D視点のロングコースなど、画面のスクロールをともなうホールでは画面が2分割される。11ホールを終えたあとの最終ホールは、必ず相手の体力を削りあう対戦アクションゲームに変化するのがおもしろい(11ホールまでの勝利数が最終ホールでの体力ポイントになるのだ)。 “デイリーチャレンジ”では日ごとにキャンペーンの5ホールがピックアップされ、インターネット上のプレイヤーと5ホールの合計スコアを競い合う。と言っても上位50名が表示されるだけなのだが、驚くほど少ない打数でクリアしているプレイヤー名を見るだけで、世界の広さが感じられるだろう。キャンペーンの進行具合によっては見たこともないホールが遊べるので、ソフトを買ってすぐに一度プレイしてみるのも悪くない。 “チャレンジ・インポッシブル”なるエンドコンテンツも選べる。このモードはデイリーチャレンジに似ていて、こちらも合計スコアを競うのだが登場するホールの難度は急上昇。ピンまでの距離がやたらに長く、そこまでの仕掛けも凶悪な数コースをクリアし続ける必要があるのだ。筆者は5ホールを乗り越え、1000打を記録したところで気力を使い果たしてリタイアしてしまったが、根気に自信のある方は挑んでいただきたい。 ◆「ゴルフとは?」その答えはあなたのなかに ゴルフの概念が拡張されているのは、ゴルフボールだけではない。本作ではピンやグリーンがなかったり、そもそもゴルフのコースですらない場所に放り出されたりすることがしばしば起こる。だがどんなホールが画面上に出現しても、直感的に目的を把握できるのが不思議だ。ゴルフの概念が刷り込まれた大人なら、自ずと画面の上方向や右方向にあるだろうピンを目掛けて何かを飛ばし始めるはずだ。ホールにピンがなくともそれに替わるもの、あるいは達成すべき目的(サッカーボールをゴールに入れるなど)のために何かを動かすに違いない。本作の名称が持つ真意を考えるとき、返答の内容は個人によって変わるだろうが、筆者は「モノを目標地点まで動かすことがゴルフだ」と感じた。 レイアウトが単純なホールでは初見でも数秒でクリアできるので、とにかくゲームの進行はスピーディー。OBしてしまっても何もなかったかのように、すぐにスタート時のポジションに戻される。どのホールもモチベーションが持続している間に勢いでクリアしてしまおう。なお接触すると爆発するドラム缶、プレイヤーが動かすモノに駆け寄って来てOBを誘発させる子ども、前方を通過する際に打球が押し戻される扇風機など、ホールが異なっても効果が変わらない共通のオブジェクトも存在する。もちろんそれらにはゴルフボールおよびゴルフボール替わりの“何か”の物理演算が適用されるので、ギミックが予測できるようになれば少しだけ戦略性が生まれる。その予測と物理演算とが噛み合わないこともしばしば起こるが、想定以上の奇跡の挙動が加わることもあり、ワクワクしながら事の行く末を見つめる時間が楽しいのだ。 少し話題が戻るが、クリア時のメッセージが本作の重要なスパイスになっていることも伝えておきたい。どのホールにも固有の短いメッセージが用意されており、各ホールをクリアするたびに画面中央にドーンと和訳付きで出現。そのホールで掲げているテーマを表現するような言い回しが楽しいのだ。たとえばキャスター付き椅子を飛ばすホールのクリアでは「CHAIRY-O(チェアリーオット)」、猫を飛ばすホールでは「PURRRFECT PUTT(ニャーフェクトパット)」と表示される。解説すると、前者は古代の戦争で用いられた戦闘用馬車チャリオット(Chariot)と椅子のChairをかけた造語。後者は猫が喉を鳴らす擬音を表すpurrにperfectを混ぜたpurrfectと、tを余分に重ねたputtで海外の猫が語っているように綴っている。どのホールも飛ばすものに驚き、飛ばしたあとにニヤリとさせられるのだ。正直言って意味がわからないメッセージもあるのだが、それはそれで自分が日本人であることが確かめられるのでオッケーとしておこう。 最後にテレビゲーム全般への愛が込められている点にも軽く言及しておこう。ホールによっては、ヒップホップで言うところの“大ネタ使い(誰もが知る有名曲から抽出した音を象徴的に用いること)”をビシビシと決めてくる。どういうことかと言うと、有名ゲームタイトルをオマージュするような構成のホールがしばしば出現し、思わずニヤリとさせられるのだ。おそらく、開発中に溢れ出てきた無数のアイデアを恐れることなく気楽なジャッジで採用しているのだろう。そんな開発チームに漂うムードの良さがプレイしていても伝わってきて、なんだかうれしくなる。 こんな驚きと笑いが小刻みに押し寄せる『WHAT THE GOLF?』は、ちょっとした時間でも満足できる小品だ。購入しやすい価格設定なので、海外センスの勉強代としても安価。短時間でリラックスできる注目タイトルをぜひ、お試しあれ。 Copyright 2020 Triband ApS 狂気のゴルフゲーム革命!?『WHAT THE GOLF?』ボールがないなら何でも飛ばせばいいじゃないは、WHAT's IN? tokyoへ。

エムオン・エンタテインメント

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