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「フジロックがない今年の夏を盛り上げたい」──連載:「あの人とフジロック」第1回 ビームス、土井地 博の巻

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GQ JAPAN

「フジロック」がない今年の夏だから、「フジロック」を愛するファッション業界人やことし出演予定だったアーティストたちとこれまでの「フジロック」を振り返ろう、という短期連載「あの人とフジロック」がスタートします。第1回に登場するのは、セレクトショップの「ビームス」で「フジロック」のイベント協賛を手掛ける土井地 博(どいじ ひろし)さんだ。 【写真を見る】これまでの「フジロック」を振り返る!

いきなりですが、「フジロック」は記者にとって欠かせない夏の一大イベントです。グリーンステージで見る海外アーティストによる圧巻のパフォーマンス、ダンス・ミュージックが鳴り響く深夜のレッド・マーキー、東京ではめったに会わない友人との再会、そしてびしょ濡れで過ごす真夜中のテント……。今年はそのどれもが経験できないことになりました。豪雨に見舞われ風邪を引いたときなど、「もう二度と行かない!」と思ったりしたこともありましたが、翌年にはやっぱり行きました。この短期連載「あの人とフジロック」では、「フジロック」とゆかりのある人たちに、「フジロック」がらみのエピソードを紹介してもらいます。“フジロック・ロス”のあなたのために。 第1回のゲストである土井地 博さんは、15年以上も「フジロック」への協賛を続け、Tシャツを筆頭にさまざまな「フジロック」コラボアイテムを生み出してきた「ビームス」のコミュニケーションディレクター。会場の物販で配られるオレンジ色のビームス製ショッピングバッグは、「フジロック」ファンにはおなじみのものです。土井地さんはどんな思い出を語るでしょう?

「ビームス」と「フジロック」の蜜月関係

──はじめて「フジロック」に行ったのはいつですか? 仕事ではなく、プライベートで2000年か2001年に行ったのが最初だったと思いますす。「ビームス」が協賛をはじめたのは2003年ですね。 ──協賛をはじめたきっかけは? フェスという言葉が世の中に浸透する前から、「フジロック」のような音楽ムーブメントは、若者文化を応援する「ビームス」とマッチするだろうなと感じていました。私が10代のときに行っていた山での音楽イベントの来場者は、デニムを穿いたり、革靴やスニーカーを履いていたりと、バラバラのファッションでしたが、雨が降っても気にせず、泥んこになって遊んでいました。2000年くらいからでしょうか、フェスやレイヴにも街着と同じようなファッションの人たちが増えてきたのは。「ビームス」で扱っているアウトドアウェアが音楽イベントとハマるだろうと思いましたね。 当時、音楽イベントに協賛するのは一般的ではありませんでした。だから、2002年に経営陣にはじめて提案したときは、却下されてしまいましたね。そこで、現社長(設楽洋)と現副社長(遠藤恵司)に「一度、この若者文化を見てください」と言い、フジロックに連れて行ったんですね。 フェス当日、ふたりと集合したら、設楽がグレイトフル・デッドのTシャツを、遠藤は「ウッドストック・フェスティバル」のTシャツを着ていて、誘ってよかったなとすぐに思いました。2人ともカルチャーが好きで、いまだにバンドをやっています。ふたりは、60年代後半~70年代のフラワームーブメントやヒッピーカルチャーの影響を受けている世代なので、「一度行ってみて、ビームスとマッチするかを肌で感じてみたかった」といっていましたね。およそ数万人のオーディエンスが見える世界最長のゴンドラ「ドラゴンドラ」の上であらためて企画書を提出しました。 ──約20年間「フジロック」に参加しつづけてきたわけですが、もっとも印象に残っているパフォーマンスや出来事はなんでしょうか。 ジョン・フルシアンテがいた時のレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、コールドプレイ、ケミカル・ブラザーズなどの、メイン・アクトは素晴らしかったですね。とくに記憶に残っているのは、2005年にグリーンステージで見たベック。ステージ上に長い食卓があって、メンバーがいきなり食事をはじめたんですよ。そのあと、お行儀は悪いんですけど、食器をたたいてセッションがはじまったのには、驚きました。 本当にたくさんのアーティストを見てきたので、ベストアクトと言われると難しいですね。あとは、2013年に観たビョークが凄まじかった。信じられないくらいの大雨が降っていて、下手したら中止になるんじゃないと思いながらライブを待っていたら、開始5分くらい前に雨がピタリと止みました。その瞬間、鳥が鳴きはじめて、しかもその鳴き声は演出じゃないんですよ。それを聴いたオーディンスは、一気に静かになって、花火が上がったと同時にライブがはじまりました。しかも、終わったらすぐに雨が降り出しました。これぞ皆が口々にいう神秘的な“ビョークのすごさ”なのかなと思いましたね。 ライブ以外の話でいうと、古くからのファンって昔の「フジロック」のTシャツを着て来場するじゃないですか。それと同じように、過去にビームスが「フジロック」とコラボしたアイテムを会場でたくさん見かけるのは、発起人としてとても嬉しいですね。

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