大学院の学位も取れる!? 求む!「地域おこし協力隊」【WBS】
都市部の若者などが地方に移住し、その地域の活性化に取り組む「地域おこし協力隊」の隊員数は年々増加していますが、知名度が低い地域は隊員の募集に頭を悩ませているのも実情です。そこで6日、北海道のある村が隊員として働きながら大学院で学位も取得できる新たなプログラムを発表するなど、各地でユニークな取り組みが始まっています。 都心から車で約2時間半の場所に位置する山梨・丹波山村。この村で地域おこし協力隊として林業を営む会社で働いているのが、伊東真由さんです。 「すごいやりがいを感じている。協力隊なので社員よりも研修や他地域の事例の視察など積極的に行かせてもらえる」(伊東真由さん) 丹波山村の人口はピーク時には2000人を超えていましたが、今では500人ほどです。人口減少対策の一つとして、2014年から協力隊の受け入れを始めています。 「村の生活は本当に気に入っていて、みんなによくしてもらっているので、ずっといたい気持ちはある」(伊東さん) 隊員の任期は最長3年。実は任期を終えると、新たな仕事を探しに都会に戻ってしまう人も多いといいます。そこで後押ししているのが、協力隊OBによる“起業”です。これで村内に働く場所を増やすことを狙います。こうした取り組みを通じて、村の魅力を高め、各地から隊員を呼び込んでいます。 「協力隊着任時に20代だった人の定住率が他の世代よりも高く7割を超えている。何かしら差別化して村の強みを作らないと今後の採用が難しくなる」(丹波山村地域創造課の矢嶋澄香主任)
北海道の村が「協力隊」募集
全国で1000を超える自治体が取り組む地域おこし協力隊。奈良・曽爾村では選考段階から応募者が起業案をプレゼンする新たな方法を採用。任期中に起業できるようにしているといいます。 一方、北海道の南西部に位置する人口約1300人の島牧村。村の知名度は高くないため、隊員の募集には苦戦しているといいます。 「村単独で人材を募集するのは限界が来ているのかなと思い悩んでいた」(島牧村の夏井一充村長) そこで新規事業の立ち上げや起業できる人材の育成に取り組む「事業構想大学院大学」と連携。昼間は村内にある道の駅で働きながら、夜間や土曜日は大学院の講義をオンラインで無料で受講できるプログラムを開発。3年の任期中に修士の学位を取得できるといいます。 「われわれも一生懸命伴走する。協力隊で来た人全員が移住し、家族をつくり生活してもらえれば村として一番いい形」(夏井村長) ※ワールドビジネスサテライト