KinKi Kids堂本光一、「ステージに立つ人間の究極形を描いた」 『SHOCK』の完結【記者の目】
KinKi Kidsの堂本光一(45)が作・構成・演出・主演を務めるミュージカル「Endless SHOCK」が29日、東京・帝国劇場で大千秋楽を迎えた。2000年11月の初演で帝劇の史上最年少座長を務め、今年5月9日には国内演劇における単独主演記録1位を塗り替える2018回を達成。来年2月に帝劇が建て替え工事のために休館するタイミングに合わせ、光一主演のSHOCKシリーズは惜しまれながらも24年間の歴史に幕を下ろした。 【記者の目】 休憩を挟んで約3時間15分のステージ。出ずっぱりで歌って踊って宙を舞い、激しい殺陣も披露して階段を転げ落ちもする。心身ともに相当きついはずなのに、それを昼夜2公演、一分一秒たりとも手を抜くことなくカンパニーとともに走り続ける。そのスピリットこそ、作品テーマの「ショー・マスト・ゴー・オン」そのものだ。 会見で光一は主人公コウイチについて「ステージに立つ人間の究極形を描いた」と説明しつつ「究極体を演じるのは、まあ、つらい24年でした。そういった意味では自分自身が役に負けないようにステージに立つには『気持ち』しかない。その気持ちをずっと維持し続けるのは…まあ、自分でも頑張りました」と胸を張った。 そして「帝劇が改装に入らなかったら来年もやっていると思う。やらせていただきたいと思っていたと思う」と本音も。心技体とも、初演時よりも今のほうがバランスが良いそうだが、ホームグラウンドの帝劇が一時休館することが区切りにふさわしいタイミングと判断したのだった。 光一が演出を担当して以降、前田美波里や島田歌穂が演じる劇場オーナー役にこんなセリフを盛り込んだ。 「疲れた時は休めばいい。迷った時は立ち止まって振り返ってみればいい。次の一歩を踏み出せればまた走って行けるのだから」 今思えば、光一がコウイチに投げかけ、労をねぎらうための言葉に思えてならない。「自分はエンタメを卒業するわけではないので、次のキャリアというか、皆さんに喜んでいただけるものを発信していきたい」と新たな決意もにじませた光一に将来、自身のようなミュージカルスターを育てる”衝撃”の作品を放ってほしい。 (江川悠)
中日スポーツ