イノウエカナコの段畑日記 ⑥いよいよ収穫!
ついにこの日がやってきた。昨年12月末の植え付けから約4カ月半、待ちに待った収穫だ。当初からお世話になっているJAえひめ南営農センターの職員さんの勧めで梅雨入り前に掘ることに。植えた種芋は10キロだったので目標収量は10倍の100キロ! 果たして結果は…。 5月14日(土)晴れ 前日まで続いた雨がうそのようなカラッとした天気になり一安心。実はここ最近、なかなか畑に足を運べず気付けば1カ月ぶり。もりもりと生い茂っていたジャガイモの葉は濃い緑色が少し抜け、いい具合にしおれていた。収穫のサインだ。 第4話で福島久光さん(71)から習った通り、まずは鎌で茎や葉を刈り取る。思ったより葉がしっかりしていて手間取り、もたもたしていると心配したJA職員さんから「選手交代」を言い渡された。 気を取り直してマルチシートを剝がそうとしたが、シートの上の土が前日までの雨で湿って粘土のよう。重たいシートを2人がかりでやっと剝ぎ取るとダンゴムシがたくさん。騒がしくしてごめんよ、と心の中で謝り、下準備を終えた。 いよいよくわを手に取り、ジャガイモが眠る畝目がけて「えいっ」と振り下ろす。「ちゃんとできてるかな」とドキドキしながらくわを手前に引くと、土の中から拳より大きなジャガイモがどっさり。1株に4、5個はできていた。栄養を蓄え、立派に育ってくれたようだ。 楽しくなってテンポ良く振りかぶる。JA職員さんから「あんまり力入れ過ぎたら…」と言われた直後、くわの先に何かが当たった感触が。掘り起こすとジャガイモにくわが刺さり、無残に割れてしまった。素早く丁寧に。これまで生産者の皆さんが見せてくれた手際は、長年の経験がなせる業なのだと改めて実感した。
愛媛新聞社