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克行容疑者、定期的に裏金提供か 選挙区の市議証言

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中国新聞デジタル

▽「氷代、もち代」として夏と冬に10万円

 昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で逮捕された前法相の河井克行容疑者(57)=衆院広島3区=が、今回の事件とは別に選挙区内の複数の広島市議に違法な裏金提供を続けていた疑いがあることが28日、分かった。「氷代、もち代」などとして夏と冬に繰り返し10万円を渡していたが、政治資金収支報告書には記載していなかった。専門家は政治資金規正法違反(不記載)の可能性を指摘している。 【表】実名で認めた広島県内の首長・地方議員と証言  「断ってもかばんにねじ込んでくる。『収支報告に書かなくてもいい。報告義務はない』と言われた」。現在3期目の石橋竜史広島市議=自民党保守クラブ、安佐南区=は、克行容疑者の強引な手法を振り返る。  1期目の途中から、ほぼ毎年夏と冬に各10万円を手渡された。「季節のあいさつみたいなものと思っていた。何回もらったかも覚えていない」。自身はクリーンな政治を掲げてきたが、地元選出の国会議員を敵に回したくない心理もあり、受け取り続けた。領収書もなく、広島県選管に提出する政治資金収支報告書にも記載しなかった。  別の市議も「盆暮れに氷代やもち代の名目で各10万円を受け取っていた。領収書はなく、個人間の慣例でもらった」と明かした。収支報告書にも記載しなかった。  公選法は選挙の候補者や立候補予定者の選挙区内での寄付行為を禁じるが、政治資金規正法が政治団体間の寄付を認めており、同じ選挙区内の政治家同士でも収支報告の手続きを踏めば資金提供はできる。国会議員の関係団体の場合、1件1万円を超える寄付などは領収書の写しを添付して収支報告書に記載しなければならない。  この市議2人への現金提供は、克行容疑者が支部長だった自民党県第三選挙区支部の過去5年(14~18年)の収支報告書にも記載はない。神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は政治資金規正法に抵触する可能性があるとし「収支報告を軽視する議員も多いが、政治資金の透明性が保てない」と指摘。市議に金を配る狙いについては「自分の選挙の際に(集票で)市議に力を発揮してほしいとの思いがあるのだろう。時期によっては買収も疑われる」と話す。  市議2人は参院選前にも克行容疑者から30万~50万円を渡されており、検察当局の聴取を受けた。その際、夏と冬の定期的な現金提供についても聴かれたという。検察当局は、克行容疑者が水面下で常習的に金を配っていた疑いもあるとみて調べているもようだ。  <政治資金収支報告書> 政治活動を国民の監視と批判の下に置くのが目的で、首長や議員が代表を務める政治団体が政治資金規正法に基づき、1年間の収支や保有する資産を記す。一定額を超える収支は金額のほか相手方、使い道を明記し、都道府県選管か総務省に毎年3月31日までに提出する必要があり、その後に公開される。不記載や虚偽の記載をした場合は「5年以下の禁錮または100万円以下の罰金」などの罰則の規定がある。

中国新聞社

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